楽天RPP広告とは?始め方や運用で成功する4つのポイントを紹介
初心者向け
ECマーケティング
楽天市場で出店されている方であれば、RPPという言葉を一度は耳にしたことがあるかもしれません。楽天市場の売上を上げるためにRPP広告の運用を検討されている方も多いでしょう。
広告と聞くと設定が難しそうだと感じられるかもしれませんが、RPP広告は簡単に始められます。
「RPP広告ってどうやって始めるの?」
「広告を運用するのは難しそう...」
とお悩み中のあなたに、RPPの特徴や始め方・RPP広告運用で成功するためのポイントなどについて紹介するので、RPP広告の運用を検討されている方は、ぜひ本記事の内容を参考にしてみてください。
目次
楽天RPP広告とは
楽天RPP広告(Rakuten Promotion Platform)とは、楽天が提供する広告サービスの1つであり、検索連動型(クリック課金制)の広告です。
楽天RPP広告では、楽天の広告配信プラットフォームを利用し、Webサイトやアプリなどで開かれる楽天市場内の検索結果に広告を配信することができます。
楽天市場で商品を検索したときに、商品名の先頭に「PR」と書かれているのを見たことないでしょうか?このPR表記がある商品こそがRPP広告となります。PCからだと最上列に3枠、スマートフォンでは上から5枠がRPP広告枠として掲載され、キーワードに対して適切な商品が表示される仕組みになっています。
楽天RPP広告の5つの特徴
RPP広告の特徴は以下の5つ。
- 検索結果の上位に表示される
- クリック数に応じて課金される
- 少ない予算からでも始められる
- 初心者でも運用しやすい
- パフォーマンスに応じて広告表示率が変わる
それぞれについて詳しく説明します。
検索結果の上位に表示される
RPP広告は、検索結果の上位に表示されます。PCでは3枠、スマートフォンでは5枠なので、人気のあるキーワードで表示させるのは簡単ではありませんが、検索者の目に留まりやすくなるでしょう。
RPP広告で成果を出すには、どのキーワードで上位表示されるかが重要となります。
クリック数に応じて課金される
RPP広告はクリック数に応じて課金される仕組みです。クリックされなければ、掲載されても費用がかからないので、無駄の少ない課金方法と言えます。
クリック数が少ない商品はキーワードを変更するか、対象から外すなどして、最低限のコストで広告の効果を最適化できるのが魅力です。ただし、クリック数が多いのにも関わらず、販売ページの内容が良くなければ、コストパフォーマンスは悪くなるので、訴求力の強いページを構築してからRPP広告を実行しましょう。
少ない予算からでも始められる
RPP広告の最低予算は月5,000円で、クリック単価(CPC)は10円より設定可能なので、予算が少なくても広告を実施できます。スモールスタートが可能なので、さまざまな広告パターンを試したい方におすすめです。
ただし、CPCを下げすぎると広告が表示されにくくなる傾向があります。競合が多いキーワードを狙うのであれば、CPCは高めに設定しておくのも選択肢のひとつでしょう。
予算の上限に達すれば自動で広告が停止されるので、安心して広告を打ち出せます。事業規模に関わらず、手軽に始められるのがRPP広告の魅力です。
初心者でも運用しやすい
CPCと予算の月額を定めれば、RPP広告は自動で運用されるので、初心者でも始めやすいです。商品名やキャッチコピー、商品説明文から推測されるターゲットユーザーに広告が表示される仕組みになっています。
詳細なターゲティングや複雑な設定を行う必要がある広告もありますが、最低限の情報さえ定めておけば運用できるRPP広告は初心者に優しい広告だと言えるでしょう。
パフォーマンスに応じて広告表示率が変わる
RPP広告が表示されるかどうかは、商品のパフォーマンスによって異なります。表示率を左右するのは以下の要素です。
- 売上件数
- 売上額
- レビュー件数
- CPC単価
売上件数や売上額、レビュー件数が多い商品が評価され、広告に表示される可能性が高くなります。顧客に求められているものを広告として表示させないと楽天市場ユーザーの満足度が低下するからです。
設定によって表示率を左右できるのは CPC単価のみです。CPC単価が高いほど楽天に支払われる広告費は大きくなるので、広告が表示されやすくなります。
楽天RPP広告を始める際の3つのステップ
RPP広告は、以下の手順に沿って始めましょう。
- 楽天RMSのトップページを表示する
- 検索連動型広告(RPP)を選択する
- キャンペーンを新規作成する
楽天RMSのトップページを表示する
楽天RMSにログインし、トップページを表示させます。RPPは、 RMSから出稿するので、RMSへのログインは必須です。
検索連動型広告(RPP)を選択する
RMSトップ(メインメニュー)より、
- 「広告・アフィリエイト・楽天大学」をクリック
- 「広告(プロモーションメニュー)」をクリック
- 「検索連動型広告(RPP)」をクリック
- 「キャンペーン」をクリック
- 「新規登録」ボタンが表示されるので選択。
キャンペーンを新規作成する
キャンペーンの新規作成を行うために、以下の情報を入力しましょう。
- キャンペーン名
- ステータス
- 継続月予算
- CPC
これらの設定が完了すれば、24時間以内に広告が開始されますが、CPCが低かったり商品の販売実績が無ければ広告がすぐには表示されない可能性があります。
楽天RPP広告で成功するための4つのポイント
楽天RPP広告で成功するためのポイントは以下の4つです。
- キーワードを設定する
- CPCを設定する
- 除外商品を設定する
- パフォーマンスレポートから改善点を見出す
それぞれについて詳しく説明します。
キーワードを設定する
商品ごとにキーワードを設定することで、特定のキーワードで検索するユーザーに表示されやすくなります。狙ったキーワードで商品を表示させることで、特定のターゲットにアプローチし、購買率の向上が期待できるでしょう。
キーワードを設定する場合、RPP広告の管理画面の「商品・キーワード指定」から行えます。設定方法は以下の2通りです。
- RMSから直接設定する
- CSVをダウンロードして設定する
RMSから設定する場合、目安となるCPCが表示されるので、CPC単価の設定価格に自信のない方は、直接設定する方法がおすすめ。
キーワード設定をしなかった場合、「商品名」と「サイト内のテキスト」から楽天市場側で表示するキーワードが決定されます。キーワード候補に迷うのであれば、慣れてからキーワード設定を行ってもいいでしょう。
キーワード選定の際のコツ
キーワード設定をする際に意識すべきことは、広告に出す商品の実績の有無です。それによって、キーワードの検索ボリュームを調整できます。
商品の実績とは、「売上件数」「売上額」「レビュー件数」の3つ。実績が良ければ検索ボリュームが大きいキーワードを狙い、実績が良くなければ検索ボリュームが少ないキーワードを狙いましょう。
例えば、財布を広告に出す場合、検索ボリュームが多いキーワードは「財布」です。検索ボリュームが少ないキーワードは、より具体的に条件を絞った「財布 皮」や「財布 メンズ」などになります。
実績の有無が判断しづらければ、まずは検索ボリュームの多いものを設定し、広告の表示率が悪ければ検索ボリュームの少ないものに変更するのも選択肢のひとつです。
CPCを設定する
キーワード毎にCPCの設定を行うのもRPP広告運用で成功するポイント。特定のキーワードを設定したものの、表示率が悪い場合は、キーワードのCPCを変更する手もあります。
CPCの単価は最低10円ですが、特定のキーワードにCPCを設定する場合は最低40円で、10個までのキーワードに設定が可能な点が要注意です。
CPCを設定する際は、その商品の転換率と商品あたりの利益(売上からコストを差し引いた金額)に着目します。
例えば、CPCが60円、転換率が10%、商品あたりの利益が500円の場合を考えましょう。
広告のクリック回数が1,000回の場合、広告費は60円×1,000=60,000円、販売利益は500円×(1,000回×10%)=50,000円なので赤字です。この場合、CPCが50円を超えると広告費の方が大きくなると分かります。
転換率は広告を出した経験が無ければ読みづらいので、最初はCPCを低く設定し、広告が表示されたら転換率を測定します。おおよその転換率が分かれば、それに応じて最大のCPC単価の上限を定めることができるでしょう。
CPCの設定は、「商品・キーワード設定」から行えます。
除外商品を設定する
RPP広告は、初期設定で全商品が広告の対象となっているので、広告を出したくない商品は除外商品として設定しておきましょう。除外商品を設定しなければ、広告をかけたくない商品が広告として表示され、広告費がかかる恐れがあります。
除外したい商品が初めから決まっていなければ、広告運用の成果を確認してから検討してみてもいいかもしれません。広告として商品を出すかどうかは、ひとつの商品から得たい利益を設定し、前述したCPC単価、転換率、商品あたりの利益から算出してみましょう。
RPPの管理画面の「除外商品」から設定ができ、手動で登録する「+新規登録」と、一括で登録する「一括アップロード」の2通りの方法があります。一括で設定する場合は、「フォーマットサンプル」からCSVファイルをダウンロードし、商品管理番号を入力の上でアップロードしましょう。
パフォーマンスレポートから改善点を見出す
パフォーマンスレポートの数値を確認し、RPP広告の運用内容を常に改善し続けることで広告運用の効果を高められます。パフォーマンスレポートで確認すべき項目は以下の3つです。
- ROAS(広告の費用対効果)
- 注文獲得単価
- CVR(転換率)
それぞれについて着目すべきポイントをお伝えします。
ROAS
ROASとは、広告の費用対効果のことで、「売上÷広告費×100」で算出可能です。もし、ROASではなく広告比率を商品毎に設定している場合、広告比率は「広告費÷売上×100」なので、分母と分子を入れ替えるだけですぐに変換が可能です。
ROASと聞いてもピンと来ない方は、まずは商品毎に広告比率の目標を定め、それから目標とするROASを算出しましょう。
注文獲得単価
注文獲得単価とは、1件の注文を獲得するためにかかった広告費のことです。ROASは比率で広告費と売上の関係を表しますが、注文獲得単価は金額ベースで算出されます。
ひとつの商品を販売するのにかけられる広告費が明確になるので、こちらの指標の方がわかりやすいのであれば、ROASよりも注文獲得単価を重要な指標とするのがおすすめです。
CVR
CVRとは、転換率のことで、商品ページに訪問したユーザーのうち商品を購買したユーザーの割合を表します。ROASや注文獲得単価が目標に達しなかった場合、CVRの改善が有効な手段です。
CVRを改善するには、顧客を惹きつけるキャッチコピーや商品の魅力を伝えるための文章構成や文章の内容、商品画像などを魅力的にする必要があります。
CVRの改善は初心者には難しいかもしれませんが、ABテストによって改善点を見出せるので、RPP運用にリソースを割けるのであれば挑戦してみるといいかもしれません。
CVRの改善によって売上が数倍増加することもあるので、CVRは非常に重要な指標です。本格的にRPP広告運用でCVRの改善をしたい方は、外注するのも選択肢のひとつでしょう。
楽天RPP広告の注意すべきこと
RPP広告で注意すべきことは以下の2つです。
- 上位枠の変動が激しい
- 予算は自動で更新される
それぞれについて詳しく説明します。
上位枠の変動が激しい
RPP広告の上位枠は、商品の実績やCPCなどによって変動が激しいので、広告表示率も一定になるとは限りません。広告表示率を一定以上に維持するのであれば、表示率を定期的にチェックする必要があるでしょう。
予算と表示率に応じてキーワードやCPCを見直す必要があります。
予算は自動で更新される
RPP広告で予算を設定すると、自動で更新されるので、一時的に予算を変更した場合は注意が必要です。予算の自動更新は月をまたぐ時にされるので、月末に予算を確認するといいでしょう。
特に、セール期間などに予算を一時的に高くした場合は、予算を変更しないと翌月に想定以上の広告費をかけてしまいかねません。更新される前に予算をチェックしておきましょう。
楽天RPP広告を効果的を最大化させる5つのテクニック
ここからは、楽天RPP広告の効果を最大化させる5つのテクニックをご紹介します。
- 広告を出す目的と目標を明確にする
- CPC10円で獲得できる商品を見つけて流入経路を増やす
- 商品に合わせてクリック単価やキーワードを設定
- 除外商品設定により無駄な費用を削減
- パフォーマンスレポートを活用して最適化を図る
広告を出す目的と目標を明確にする
商品設定や分析を行う前に、広告を出す目的・目標を明確にしましょう。楽天RPP広告を行う目的は以下のように、
- 広告を活用して利益を上げる
- 広告を使って新規顧客を獲得する
- 広告を使ってショップの認知度を向上させる
- 広告を使って売上をあげ、検索順位をあげる
と様々です。広告を出す目的に応じて、目指すべき目標や取るべき戦略が変わってきます。
CPC10円で獲得できる商品を見つけて流入経路を増やす
楽天RPP広告をこれから始める場合や低コストで運用したい場合は、CPCを最低価格の10円に設定することも楽天RPP広告を上手く運用するポイントです。
CPCが10円であっても広告枠に掲載される商品は少なからず存在し、そのような商品を経由してユーザーがショップページへと流入することでほかの商品が売れる可能性も高まります。
商品に合わせてクリック単価やキーワードを調整
楽天RPP広告では、商品の競争力や売り出したい度合いに合わせて、商品ごとにCPCやキーワードを設定することが重要です。
商品ごとにCPCやキーワードを設定することで、より戦略的かつ細やかなRPP広告の運用ができます。
商品ごとにクリック単価を設定する方法
- 楽天プロモーションメニューから、「検索連動型広告(RPP)」の「商品・キーワード設定」タブを開く
- 「一括アップロード」ボタンをクリック
- 「商品CPCの登録/更新」をクリック
- 「商品ごとのCPC単価を一括登録する」ウィンドウが開く
- 「サンプルフォーマットはこちら」ボタンをクリック
- 一括登録用のCSVフォーマット(エクセル)がダウンロードされるので、開いて各項目を入力
- 「商品ごとのCPC単価を一括登録する」ウィンドウの「ファイル参照」ボタンから6のCSVファイルを選択
- 「アップロード」ボタンをクリック
商品ごとにキーワードを設定する方法
- 楽天プロモーションメニューから、「検索連動型広告(RPP)」の「商品・キーワード設定」タブを開く
- 「一括アップロード」ボタンをクリック
- 「キーワードCPCの登録/更新」をクリック
- 「キーワードごとのCPC単価を一括登録する」ウィンドウが開く
- サンプルフォーマットはこちら」ボタンをクリック
- 一括登録用のCSVフォーマット(エクセル)がダウンロードされるので、開いて各項目を入力
- 「商品ごとのCPC単価を一括登録する」ウィンドウの「ファイル参照」ボタンから6のCSVファイルを選択
- 「アップロード」ボタンをクリック
除外商品設定により無駄な費用を削減
楽天RPP広告では全商品が広告対象となるため、除外商品設定をおこなって広告掲載商品を選定することもポイントです。
広告に掲載したくない商品やROASが悪い商品は除外し、無駄なコストを削減しましょう。
一括で商品の除外設定する方法
- 楽天プロモーションメニューから、「検索連動型広告(RPP)」の「除外商品」タブを開く
- 「一括アップロード」ボタンをクリック
- 「商品管理番号で一括登録する」ウィンドウが開く
- 「サンプルフォーマットはこちら」ボタンをクリック
- 一括登録用のCSVフォーマット(エクセル)がダウンロードされるので、開いて各項目を入力
- 「商品ごとのCPC単価を一括登録する」ウィンドウの「ファイル参照」ボタンから5のCSVファイルを選択
- 「アップロード」ボタンをクリック
パフォーマンスレポートを活用して最適化を図る
楽天RPP広告で最大限の広告効果を得るには、効果測定結果が確認できるパフォーマンスレポートの活用は必須です。
パフォーマンスレポートは、楽天プロモーションメニューから「検索連動型広告(RPP)」の「パフォーマンスレポート」タブで確認できます。
パフォーマンスレポートで注目すべきポイント
- かかったコスト
- 広告からのアクセス
- 広告の売上
- 広告の費用対効果
- 広告からの新規獲得数
RPP広告で楽天市場の売上を最大化しよう!
RPP広告の特徴や始め方、広告運用の際のポイントは理解いただけましたか?
RPP広告は簡単に始められるので、広告運用が初めての方でも本記事を参考にしていただければ設定していただけるかと思います。
ただし、数値分析やCVRの改善などはWebマーケティングの知見が無ければ難しいかもしれません。RPP広告で本格的に売上をあげたい方は、専門知識を持ったリソースがある外部に委託するのがおすすめです。