【しっかり解説】GA4のレポート作成方法と活用方法

WebサイトやECサイトを運営しているあなた。Googleアナリティクス（GA4）の中の便利機能「レポート」はしっかり使いこなせているでしょうか。もしかすると、「やり方がわからなくて使っていない」という方がいるのではないでしょうか。

ここでは、そんなあなたに、レポート機能を使ったことがない方でも簡単に使いこなせるレポート作成方法をまとめました。

• Googleアナリティクスのレポート機能は知っているが使ったことがない
• 今より更に高度な分析や改善をしたい
• ECサイトの現状の課題を把握したい

上記のようなお悩みを解決できる情報です。効果的な使い方やレポート作成時の注意点にも触れています。レポート機能を使い始める方に教科書のように感じていただけるので、ぜひ最後までお読みください。

Googleアナリティクス4（GA4）のレポート機能とは

Googleアナリティクス4（GA4）は、ウェブサイトやアプリのトラフィックやユーザー行動を追跡するためのツールです。Web上の行動分析が重要となった今では、Googleアナリティクスは必須とも言えるかもしれません。

トラフィック分析ツールであるGA4では、必要な情報をグラフなどにまとめてくれる「レポート」機能が存在しており複数の種類があります。まずは、これらの特徴について詳しく知っておきましょう。

3つの種類がある

GA4では、3種類のレポートを提供しています。それぞれ、分析したい内容や抽出したい指標に合わせて必要な種類のレポートを選びましょう。

実際の作成方法は次の章で説明するため、ここでは各種レポートの概要を解説します。

基本レポート

基本レポートは、ウェブサイトやアプリの基本的なトラフィック情報を提供するレポートです。ページビュー・セッション数・ユーザーのデバイス情報・地理的な情報などが含まれており、「とりあえず全体像を把握したい場合」に役立ちます。

探索レポート

探索レポートは、ユーザーの行動をさらに詳しく調査するためのレポートです。ユーザーがどのページを訪れ、どのリンクをクリックし、どのコンテンツに関心を持っているかなどが把握できます。

レポート書式のテンプレートが用意されていたり、ご自身でセッティングできる自由形式が選択できたりして、カスタマイズ性が高いのが特徴。より詳細なコンテンツ戦略やユーザーエクスペリエンスの改善に役立ちます。

広告レポート

広告レポートは、Google広告のアカウントを所有（運用）している場合に、GA4とアカウントを連携することで広告に関するさまざまな指標が確認できるレポートです。

Google広告における検索広告やディスプレイ広告など、各種オンライン広告キャンペーンの効果を評価するために使用されます。広告クリック・コンバージョン・広告費用などのデータを表示し、広告の収益性を分析するのに便利です。

ユニバーサルアナリティクス（UA）との違い

GA4は、従来のUniversal Analytics（UA）とは異なる新しいアプローチを提供しています。

主な違いは次のとおりです。

• GA4の基本レポートにおいて、セグメントによる絞り込みができない
• UAでのカスタムレポートがなくなり、GA4では探索レポートが使用可能

UAを使用している方はほとんどいないかと思いますが、もしUAのレポート機能に慣れている方がいらっしゃれば上記の違いをご認識ください。

GA4｜基本レポートの作成方法

基本レポートの作成方法を解説します。

実際のGoogleアナリティクスの操作方法を説明するため、この記事を読みながらぜひ操作してみてください。

レポートのスナップショット

基本レポートの1つ「レポートのスナップショット」の作成方法をお伝えします。ECサイトの全体像が把握できるため、定期的に代表的な数値を確認したいときに活用すると良いでしょう。

手順は以下のとおりです。

1. GA4のダッシュボードにログインし、対象のプロパティを選択
2. 縦棒グラフのイラストで描かれている「レポート」をクリック
3. 任意の「比較対象」や「期間」を選択

まず、あなたのGA4アカウントへログインしてください。その後、レポートのスナップショットを作成したプロパティを選択します。

2でクリックすると、レポートのスナップショットが表示されるためそこから「比較対象」や「期間」を選択してください。

様々なカード（数値やグラフなど）が表示されますが、画面右上の「レポートをカスタマイズ（ペンマークのイラスト）」から任意の情報を選択したり入れ替えたりできます。

リアルタイム

次に、リアルタイムの作成方法をお伝えします。あなたのECサイトにアクセスしているユーザーに関する情報がリアルタイムで確認できます。

手順は以下のとおりです。

1. GA4のダッシュボードにログイン
2. レポートのスナップショットを作成したプロパティを選択
3. 縦棒グラフのイラストで描かれている「レポート」をクリック
4. 左上に表示されている「リアルタイム」をクリック
5. レポートとして表示されたリアルタイムを確認

確認中のタイミングでなにかプロモーションを行っていたり、リアルタイムでの計測タグなどの計測だったりする場合、リアルタイムレポートによりそれぞれ確認できます。

GA4｜探索レポートの作成方法

探索レポートは、空白から作る方法とテンプレートから作る方法があります。

「空白」から 作成する方法

まずは、何もない状態から作る方法をお伝えします。

1. GA4のダッシュボードにログインする
2. レポートのスナップショットを作成したプロパティを選択
3. 左端の縦帯から「探索」を選択
4. データ探索画面の左上にある「空白」をクリック
5. データ探索名・期間を指定
6. 左端から任意の変数・タブの設定を選択

5のデータの探索名や期間の指定は、必要な情報が表示できるためレポートの整理に役立ちます。

最後に選択した変数やタブの設定は、右側の探索レポートの画面に表示されます。行数なども選択できるため、あなたが求めるレポートになるようにカスタマイズしてみましょう。

「ファネルデータ探索」から作成する方法

次に、ファネルデータ探索から探索レポートを作成する方法をお伝えします。こちらは自分でレポートをカスタマイズするのではなく、元々用意されているテンプレートを利用します。

1. GA4のダッシュボードにログインする
2. レポートのスナップショットを作成したプロパティを選択
3. 左端の縦帯から「探索」を選択
4. データ探索画面に切り替わったら、左上にある「ファネルデータ探索」をクリック
5. 3でレポート書式を選択する画面に移ったら「ステップ」のペンマークをクリック

プロセス条件を選択することで、初回訪問ページや次に遷移したページなど、あなたの分析したい対象をレポートに表示できます。

GA4｜広告レポートの作成方法

広告レポートの作成方法を解説します。こちらは、Google広告を運用していることが条件となります。

1. GA4とGoogle広告アカウントをリンクさせる
2. GA4を開き、レポートを作成したいプロパティを開く
3. プロパティの左上の「メニュー」をクリック
4. 「レポート」 にある「ライフサイクル」をクリック
5. Google広告からの集客に関するレポートになるため、「集客」をクリック
6. 「ユーザー獲得の概要」をクリック
7. 「セッション - Google 広告の広告キャンペーン別のセッション数」をクリック

最後に「Google 広告の広告キャンペーン別のセッション数」をクリックすることで、Google広告キーワードのテキストやクエリなどが確認できます。

レポート分析のチェックポイント

GA4のレポートには、さまざまな項目が含まれています。選択できる項目は非常に多いため、初心者の方にはどれを見るべきかわからなくなるかもしれません。

分析をするためのチェックポイントは、主に以下の3つ。

• ユーザー属性
• トラフィック獲得
• ページとスクリーン

どれもECサイト改善に重要な項目なため、あなたもぜひ確認してみてください。

ユーザー属性

ユーザー属性は、ユーザーのデモグラフィック情報として年齢や性別に関するデータを示します。これにより、どのようなユーザーがサイトを訪れているかを理解し、ターゲットが調整できます。

確認方法｜メニューの「レポート」→「ユーザー」→「ユーザー属性」

どんな人があなたのECサイトを訪れているかは、ECサイトの改善にとても重要な内容です。

トラフィック獲得

トラフィック獲得は、ECサイトへのトラフィック（往来）としてどのチャネルからECサイトへ来訪しているかを示します。

チャネルとは、オーガニックサーチやペイドサーチ（広告）などのこと。トラフィックの出どころを把握することで、マーケティング戦略の改善に役立ちます。

確認方法｜メニューの「レポート」→「集客」

新たに広告施策を行う場合など、数ある媒体メニューの中からあなたのECサイトに適したものを選ぶ際に役立ちます。

ページとスクリーン

この項目では、ユーザーが訪れたページに関する情報が確認できます。どのページ・コンテンツがどれだけ表示されたかや、エンゲージメント時間などを分析してみましょう。

分析してみると、特定の構成をしたページだけ注目されていたり、商品ごとの人気度合いを特定できたりするかもしれません。

GA4を活用するメリット

レポート作成機能を含めて、GA4を使用する際のメリットについて説明します。Googleアナリティクス以外にもさまざまな分析ツールが存在しますが、筆者はやはりGA4がおすすめです。

Webサイトの情報が無料で分析できる

GA4は、無料で提供され、基本的なトラフィックデータから高度な分析まで幅広い機能を提供しています。小規模なウェブサイトから大規模なアプリまで利用できます。

Googleアナリティクスの設置は難しくなく、導入ハードルも低いので、もしもまだ導入されていない方はすぐに入れることをおすすめします。

自由なカスタマイズで欲しい情報が取得できる

GA4のレポート機能は、各種項目やユーザーセグメントの設定、データのフィルタなど、柔軟なカスタマイズが可能です。あなたのECサイト分析において、ピンポイントに必要な情報をレポートというカタチで表示できます。

欲しい情報が取得できるようになると、あなたの仮説を立証することが可能です。

例えば、ある地域のユーザーが特に購入率が高いと仮定した場合。GA4のレポートでその地域ユーザーを特定し、あらゆる数値を確認することで本当に正しいかどうかが判断できます。

Googleの別のプラットフォームと連携できる

GA4は、Google広告やGoogleマーケティング プラット フォームとの連携が簡単。広告の効果がリアルタイムで追跡できるため、マーケティング施策の素早い最適化が期待できます。

Google広告やGoogle マーケティング プラットフォームは、あなたの任意の金額が費用として使用できます。広告がクリックされるにつれて費用が増えるため、GA4できちんと成果を確認しながら、費用対効果をチェックしていきましょう。

GA4でのレポート作成時の注意点

GA4によってレポートを作成する際は、いくつかの注意点があります。細かなものもありますが、精密な分析を行う際に必要なので確認してみてください。

すべての指標が表示されるわけではない

GA4では、SNS広告などのコストやコンバージョン単価（CPA）が表示されないケースがあり、広告キャンペーンの効果を正確に評価するのが難しい場合があります。

広告の成果を確認するためには、Web広告の設定するうえでの遷移先URLに対してアクションが必要。任意の計測用パラメータだったり、ECサイトへタグを設定したりしましょう。

コンバージョンポイントごとのデータ抽出が少しむずかしい

GA4はイベント中心のデータ収集を行うため、特定のコンバージョンポイント別にデータをレポート化するのが難しいケースがあります。ここでいうコンバージョンポイントとは、ECサイトでいうと「商品購入に至るポイント（サンクスページ）」などにあたるでしょう。

例えば、GA4管理画面で、コンバージョンに関して各ページごとやコンバージョンポイントごとのデータは一覧では表示できません。

データや指標はかならず実数値ではない

データの量が多い場合、GA4はしきい値やサンプリングを適用することがあり、データの正確性に影響を及ぼす可能性があります。もしも非常に詳細な分析をしたい場合には注意しましょう。

しきい値は、レポートやデータ探索を閲覧する際にデータに含まれるシグナル（ユーザー属性、インタレストなど）から個別ユーザーの身元または機密情報を推測できないようにするためのもの。表示される可能性を減らすように、Googleアナリティクスで変更ができます。

※[GA4] データのしきい値について：https://support.google.com/analytics/answer/9383630?hl=ja

※[GA4] データ サンプリングについて：https://support.google.com/analytics/answer/13331292?hl=ja

GA4のレポートで使える便利機能

GA4のレポートを利用するうえで、便利な機能をご紹介します。これからレポート作成を行う場合に役に立つので、ぜひご活用ください。

カードにフィルタをかける

GA4のダッシュボードでは、カードにフィルタをかけると特定のデータが絞り込めます。これにより、必要な情報に素早くアクセスできるようになります。

こちらは、レポートのスナップショットをカスタマイズする際にレポートフィルタを操作することで可能になります。

レポートに閲覧権限をかける

GA4で作成したレポートでは、ユーザーやチームごとに異なるアクセス権が設定できます。データセキュリティを維持しながら、関係者にだけ必要な情報を提供できるため、情報漏洩などのリスクを最小限に抑える効果が期待できます。

Looker Studioと連携する

Googleが提供する、データをダッシュボード化する「Looker Studio」とGA4とを連携。GA4ではなく、Looker Studio側でもレポートの作成が可能になります。

Looker Studioでは、あらゆるデータをあなたが表示させたいようにカスタマイズできるため、GA4のほかからも多種多様なデータを組み合わせて表示できます。Looker Studioの方が使いやすかったり、GA4では見れないほかのデータと併せてレポートを見たい場合は、ぜひ利用してみましょう。

レポート機能をフル活用してECビジネスを拡大しよう！

GA4でのレポートについて、3種類の作成方法をまとめました。

• 基本レポート
• 探索レポート
• 広告レポート

いずれも、本当に便利な機能なのでぜひ利用してみてください。また、これまで使ったことのない方は、この記事を参考にしていただけると基本的なレポートが作成できると思います。

これまでの分析を更に高度なものにして、ECサイト改善に役立てましょう。