ECサイトの運営を委託したい方に!委託する際の注意点や費用、相場などポイントを運営請負会社が徹底解説!
ECサイト集客
目次
ECサイトの運営を外部委託(外注)することは可能か?
「ネット通販でモノを売れたらいいな…」考えるのは簡単でも、実際に行ってみると受注処理や梱包、配送、クレーム処理などなど…バックヤード作業が本当に大変で死に物狂いの毎日…!!そんなEC店長さんも多くいらっしゃるかと思います。
ECサイトを「運営」するだけでなく「発展・成長」させていくためには、バックヤード作業でいっぱいいっぱいになっている状態は望ましくありません。
商品開発・集客・サービス強化など、お客様に喜んでいただける「付加価値」を創出することで初めて、利益として企業にプラスをもたらすことができるのです。
「わかってはいるけれど、そこがなかなか難しい…!」そんなときは、いっそのことECサイトの運営の一部を外部委託することも視野に入れてみましょう。ECの歴史がスタートしてもう30年以上の月日がたっています。システム・人材・ノウハウ…。実は頼れる企業や組織は意外と揃っているのです。今回は、ECの運営代行について、メリット・デメリット・相場やシステムなど詳しく解説してまいります。
ECサイト運営代行のメリット
ECサイトを外部委託した場合のメリットは以下の通りです。箇条書きリストのあとに詳しい説明を載せていますので、ぜひご覧ください。
- 商品開発や集客(SNS)に注力できる
- 社内教育の必要がない
- スペシャリストの力を借りることができる
- 社内に外部の良質な情報がもたらされる
商品開発や集客(SNS)に注力できる
ECサイトの外部委託の最大のメリットは、本来集中したい業務に集中できることです。EC店長さんがごく初期に陥りやすい錯覚のひとつに「忙しい=儲かっている」という感覚があります。確かに忙しくないよりは忙しいほうが売上も上がってにぎやかな感じがしますよね。ただECは他店との価格競争も激しく、広告や送料など思わぬ要因で赤字転換することも珍しくありません。
だからこそ、常に慎重な経営とより付加価値を高める戦略が必要なのです。
では、付加価値を高める戦略とは何でしょうか。広告を見直して効率を高めるのもひとつの方法です。他店にはないオリジナル商品を開発して人気を独り占めするのも良い方法だと言えます。型番商品の場合は数カ月先を見越して、他店の在庫がないタイミングで高利益販売戦略を打つのも好手でしょう。
このような良い戦略をとるためには、常日頃から競合店舗・競合商品を調査し、ベストなタイミングでベストな商品をベストな価格でお客様に提示する必要があります。つまり、日頃の見極め(マーケティング)が大切。
EC店長さんの脳や身体はひとつしかありません。戦略を見極める心理的・経営的余裕を生み出すために「任せられるところは任せる」という取捨選択が必要なのです。
社内教育の必要がない
一般社会、特に地方でECに長けた人材を雇用しようと思ってもなかなか集まらない…そんなお困りごとを抱えた社長・EC店長さんは少なくありません。
ECはもちろんのこと、パソコンにすら慣れていない、教育の必要があるという場合、実際に戦力になるまでに途方もない時間がかかる場合もあります。そしてその間の費用は会社持ち…となると人を育てる難しさを痛感しますよね。
一方、運営代行会社を使えばそのような悩みを感じる必要はありません。運営代行会社の先にはすでに即戦力として使える人材がたくさんそろっています。むしろ今まで気が付かなかったような視点から適切なアドバイスや対処方法を提案してもらえたりもします。社内教育のコストや時間を節約するためには、運営委託はとても良い方法だと言えます。
スペシャリストの力を借りることができる
どんな仕事にも「職人」と呼ばれるスペシャリストがいるように、ECの世界にもスペシャリストはたくさんいます。例えばページ制作のスペシャリスト。Photoshopやillustratorなどのデザインソフトを駆使するだけでなく、コピーライティングや視覚的階層など様々な技術を用いて「売れる」ページを制作してくれます。
広告のスペシャリストも重要です。特にリスティングやrpp広告などは、Googleアナリティクスやサーチコンソール、楽天のデータツールなど様々な情報を見て広告の最適化を図ります。
同じように、カスタマー対応、発送業務、商品撮影などECのあらゆる場面でスペシャリストは確実に存在します。運営代行によって、そのようなスペシャリストの力を借りられるのはとても心強いことです。
社内に外部の良質な情報がもたらされる
これもEC業界にはよくあるお悩みですが、「インターネットの世界はついつい閉鎖的になりがちで、外部の情報が意外と入ってこないんだよね…」と思われたことはないでしょうか。「競合他社と話すことなんて特にない!」と思っていても、急なECモールのルール変更に対応したり、為替や物価高騰へ対応したりというときに、他店の動向を聞いたり対策方法を相談したりできる相手はとても重要です。
問題を解決する手法は1つではありません。真正面から時間をかけて解決すべき課題もあれば、ウルトラC的な手法で乗り切ってしまう場合もあるでしょう。いずれにしろ外部からもたらされる様々な情報・手法の中から自社に最適な手法を選び取ればいいわけですから、選択肢はあるに越したことはありません。そのような点で外部の運営代行会社は様々な店舗とコミュニケーションを取っていますから、全体の動向や課題解決方法については比較的詳しいとも言えます。
外部アドバイザー的な立場としても、運営代行会社を味方につけるメリットはあると言えます。
(h2)ECサイト運営代行のデメリット
ECの運営代行会社を利用する際にはデメリットもあります。運営を委託する際はデメリットをしっかり理解したうえで、対策を取りながら利用するようにしましょう。箇条書きリストのあとに詳しい説明を載せていますので、ぜひご覧ください。
お問い合わせなどの対応力が低いとクレームにつながる
運営委託会社を利用する際、最大の盲点は「商品や店舗の本質的な価値を知らない」ということです。ユーザーは商品やサービスについて店舗に問い合わせをした際、電話に出た人を商品や店舗について詳しい人物であると期待しています。質問に対してスピーディーに、的確な返答が帰ってこないと不信感につながるとともに、レビューの悪化も招きかねません。
運営代行の中でもお問い合わせやカスタマーサービスを委託する際は、特に注意して商品についての詳細な知識や情報を共有することが大切です。さらに、返答に迷うような質問がユーザーから送られてきたときはすぐに本社対応ができるようなバックアップ体制も整えておきましょう。カスタマー対応の経験を蓄積し、マニュアルに落とすことができれば長期的な運営改善にも役立ちます。
社内にノウハウが残らない
社外のスペシャリストの力を即戦力として使うことができる反面、社内のスタッフにはそのノウハウが蓄積されないことも、運営代行を利用するデメリットのひとつです。
外部依存度が高くなると運営代行会社が問題に巻き込まれたときのリスク管理も心配しなくてはならなくなります。運営代行会社の力やノウハウはあくまでも「外部」にありますから、それを失った際、代わりが見つかるまでは、サービスの低下を余儀なくされるでしょう。
運営代行会社を利用する際は、こまめにノウハウをまとめ、社内に蓄積する癖をつけておきましょう。可能な限りマニュアル化やしくみ化を行っていくことで、外部依存度の低い運営会社委託が可能となります。
コストがかかる
運営を外注する場合、やはりコスト増大は避けては通れません。しかしながらコストがかかるからといって切り捨ててしまうには惜しいほどのメリットがあるのもまた外部運営の一つの側面です。
先述した通り、社内教育のコストや時間、労力は大変なものです。外部委託によってスペシャリストの力やタイムパフォーマンスをうまく利用することができれば、商品に大きな付加価値と戦力をつけることができます。
EC販売をする中で必要なことは、必要なコストとそうでないコストを冷静に分析し、付加価値を付けた状態(価格に転嫁した状態)でも市場で戦える商品をつくることです。結論として、それができれば会社にもユーザーにも利益をもたらすことができます。「外注はお金がかかるから」と即断してしまうのではなく、コストがもたらすメリットにも焦点を当てて考えることが大切です。
外部委託の際の相場は?料金体系はこうなっている
外部委託を利用する際、料金体系は重要なポイントとなると思います。この章では料金体系をご紹介しながら、どんな業務であればどの料金体系がお得かなど、業務別に解説してまいります。
固定料金型
月額固定で業務を委託できるパターンです。商材にもよりますがコンサルタントや受注・カスタマー業務などがこのパターンになる事が多いです。
固定でコストの見通しがつけやすい分、ざっくりとしたおまかせ体制になりがちなので、固定料金の場合はコミュニケーションの量を意識して保つように心がけましょう。
成果報酬型
アクセスや売上など、成果に応じて報酬を支払うパターンです。梱包・発送作業、広告業務やSNS集客、SEOがこのパターンに当てはまることが多いです。
集客や広告系の成果報酬型で気を付けたいのは、商品そのものが持つ販売力と、インフルエンサーや広告が持つ販売力が判別しにくいことです。たくさん売れたからと言ってインフルエンサーだけの力とも言えないですし、売れなかったからといって広告の責任だとも言い切れません。
外部委託のパートナーと安定した長期的な契約をしていくためにも、結果だけを評価するのではなく、ユーザーに対してどのような価値を提供し、どのような結果が出て原因の検証がどこまでできたかを共有することが大切です。
一件単価型
デザイン業務や商品企画のように、案件ごとに見積もりを出すのがこのパターンです。
商品の複雑さやスケジュールによっても見積内容は大きく変わります。
コスパがいいデザイナーを見つけるためには、駆け出しのセンスあるデザイナーを捕まえることが大切です。デザイン費用は需要と供給によって値上がりしますが、高いデザイナーが自社の商品をうまく表現できるとは限りません。
何人かデザイナーを試しながら、商品の特性を深く理解し、ユーザーに適切に表現してくれる人材を見つけましょう。
複合型
発送業務や受注業務は月額で請け負ってもらえる場合もありますが、クリスマスや母の日など、季節商材で受注が急激に上がるような場合、単月で成果報酬型になるなど、場合に応じた措置がとられることがあります。このような場合を複合型と呼びます。お互いが信頼関係を崩さずに業務を遂行できるよう、柔軟な姿勢で話し合っておきましょう。
ECサイト運営を外注するにあたっての注意点
楽天・Amazon・越境ECなど、どのECモール(分野)に強いかを調べる
どこの運営会社も、たいていは楽天系、独自ドメイン系など、得意なECモールや業務があります。まずはその会社がどんなECモールに強いか、どんな業務に強いかを把握するようにしましょう。不得意な分野を任せても、うまく機能しないことがあります。場合によっては複数の運営代行会社を利用するなどして、得意分野で効率的に力を発揮してもらうことが大切です。
制作・受注・発送・広告など、どこの部門・業務を任せたいかをはっきりさせる
自社において任せたい業務は何か、足りない要素は何かということをまずはしっかりと認識することが大切です。ぼんやりと任せてしまうと、どんなメリットが自社にもたらされたか、ユーザー(顧客)に対してどんなベネフィットがあるかということも自覚できないまま安売りしてしまうことにも繋がります。
例えば、発送に3日かかっていたのが外部委託することで翌日配送できるようになれば、これは立派な付加価値アップですから、値上げの検討材料になります。それを同価格のまま販売していれば、コストがかかっている分いつか自社にしわ寄せがくることになります。商品の販売力は価格に転嫁すべきものです。
自社商品の販売力をしっかりと見極めるためにも、まずは足りないものが何かをしっかりと把握することが大切です。
自社の商品が、外注に合っているかを確認する
商品がユーザーの繊細な心理状態に関連するもの、例えばお悔やみ商材や冠婚葬祭ギフト関連の場合は、発送に際して慎重な手配が必要となるため外部委託が適切とは言えません。また、グルメなど商品の温度や湿度管理が必要不可欠な場合も、外注は不向きです。
ただそのような商材の場合も、発送は任せられないにしても集客やページ制作は外注することが可能ですし、グルメなど長期販売が可能な商材はむしろしっかりとしたページをプロに外注して長期的に使っていくことでコスト回収が見込めるでしょう。
自社の中で現状、自然にできていることが、外部委託の会社もできるとは限りません。
配送や気遣いが自社の強みである場合は特に、別の作業を委託するなどして社内の負担を軽くしていきましょう。
サポート体制や情報共有体制がしっかりしているかをチェックする
業務が社内であるか、社外であるかの大きな違いは、細やかな情報共有ができるか・できないかという点です。自社業務ではスタッフ同士の小さな声かけや疑問、質問と解決が無意識のうちにストックされ、それが自然とマニュアル化されていきます。外部委託の場合、情報がストックされることはあるにしてもそれが社内にフィードバックされるとも限りませんし、間違った認識のまま業務が続いてしまうことさえあります。そのような事態を招かないためにも、ふとした疑問やモヤモヤをすぐに共有できるフィールドを用意しておくことが大切です。
かしこまった定例会議やオフラインの対応というよりも、小さな情報をこまめに共有できるオンラインの環境を整備しておきましょう。
実績があるかをチェックする
外部委託をする際、その会社が同部門でどのような経験・実績があるかをチェックしておくことは大切なポイントです。同じECモールでも商材や業務が違えば運営方法は全く異なってきます。委託先の会社がどのような実績を持っていて、どのような運営を行ってきたかについて、思い切って聞いてみることが大切です。同じようなECモールや商材の実績がない場合は、解決にあたってどのような手段を取ろうと考えているのかを聞いてみるようにしましょう。真摯に答えてくれる姿勢があれば、安心して運営を委託できる判断材料になります。
ECサイト運営代行を利用するときのポイント
商品や店舗への理解度を高めてもらう
ショップや商材はどこも同じではありません。たとえ同じ商材を扱っていても、カスタマーが良ければそれは店舗としての武器になります。逆に対応が悪いとトラブルやレビュー悪化にも繋がります。運営を委託する際は、自社の強みを理解し、商材や顧客をしっかりと理解してくれる会社に任せることが大切です。
外部委託先の選定基準:適切なパートナーを見つけるためのチェックリスト
業界経験と専門知識:
- 委託先があなたの業界に精通しているか?
- 特定の商品カテゴリーや市場動向に関する知識はあるか?
実績と評判:
- 成功事例や顧客の推薦があるか?
- オンラインレビュー、評価を確認したか?
サービス範囲:
- どのようなサービス(マーケティング、物流、カスタマーサービス等)を提供しているか?
- サービスはあなたのニーズに適合するか?
価格と契約条件:
- 料金体系は明確で理解しやすいか?
- 長期契約や短期契約、解約条件はどのようになっているか?
コミュニケーションとサポート:
- 定期的なコミュニケーションやレポート提供の有無は?
- 緊急時の対応やサポート体制は十分か?
技術的能力:
- 使用するプラットフォームやツールは最新のものか?
- サイトのセキュリティやデータ保護に関してどのような対策を講じているか?
柔軟性とカスタマイズ:
- サービスのカスタマイズが可能か?
- 事業の成長や変化に応じてサービスを調整できるか?
文化的適合性:
- 企業文化や倫理観があなたの会社と合致するか?
- チームワークやパートナーシップに対する姿勢は?
まとめ|最後は「人」。信頼が置ける会社かどうかをポイントに。
いかがでしたでしょうか。EC業務の外部委託は使い方によっては急速に店舗の成長を達成できる重要なキーポイントとなります。そのために会社の選択、任せる業務の選択、任せ方も重要です。どんな業務もそうですが、判断材料の大きなポイントは「人」。任せるべき人物に自社の未来を託せるかどうかです。自社の強みと弱みをしっかりと見極めたうえで、適切な外部委託を実行しましょう。