【中級者向け】自社EC集客の種類と具体的なマーケティング戦略まとめ
ECマーケティング
ECサイト集客
自社ECの運用・管理を任されているEC担当者にとって、避けられない課題といえば「集客」です。
しかし、ECサイトの集客で思うような結果が出ない、より効果的な施策が知りたいといった方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、ECサイトの集客におけるチャネル戦略の重要性やチャネルごとの具体的な施策・改善方法、Googleアナリティクスのパラメータ付与について詳しく解説します。
自社ECの集客に必要なノウハウが身につくので、ぜひご一読ください。
目次
自社ECの集客におけるチャネル分類とおすすめの広告手法例
自社ECの集客を成功させるにあたって、Googleアナリティクスでのアクセス解析は必要不可欠です。それにともない、EC担当者が押さえるべき知識として「チャネル」があります。
Googleアナリティクスにおけるチャネルとは、簡潔に説明すれば「ユーザーがWebサイトにアクセスするまでの流入経路」です。これを理解することで、サイト流入数の改善につなげられます。
また、Googleアナリティクスでは、標準であらかじめ定義されたルールに応じて、チャネルが流入元ごとに分類されますが、これは「デフォルトチャネルグループ」と呼ばれるものです。
デフォルトチャネルグループのチャネル分類を一覧表にまとめたので、こちらもご確認ください。
チャネル名 | 説明 |
Organic Search(自然検索) | 検索エンジンからの流入(広告は含まない) |
Paid Search(有料検索) | リスティング広告からの流入 |
Display(ディスプレイ) | ディスプレイ広告からの流入 |
Other Advertising(他の広告) | 上記2つの広告以外からの流入 |
Affiliate(アフィリエイト) | アフィリエイトからの流入 |
Referral(参照元サイト) | 他のWebサイトからの流入 |
Socia(ソーシャル) | ソーシャルメディアからの流入 |
Email(メール) | Eメールからの流入 |
Direct(ノーリファラー) | 直接流入(URL入力、ブックマークなど) |
Other | 上記に該当しない流入 |
チャネルごとの具体的な施策も紹介してまいります。
自然検索
自然検索とは、Googleなどの検索エンジンにおいて、キーワードで検索した際に、広告枠を除いた部分に表示される検索結果のことです。
上記表だと「Organic Search」のチャネルに該当します。
自然検索の場合、有効な集客施策として挙げられるものは「SEO対策」です。特に以下の3つの施策は、優先して取り組む必要があります。
【有効なSEO対策】
1. Webサイトの最適化
2. ユーザーファースト対策
3. 被リンク対策
それぞれ概要をまとめました。
1.Webサイトの最適化
自社ECサイトの内容を整理して、検索エンジンからの評価を高めると、検索順位アップやそれによるサイト流入数増加が見込めます。
【Webサイトの最適化・具体例】
・見出しタグや画像タグのマークアップを適切に行う
・検索キーワードの共起語をサイト内に含める
2.ユーザーファースト対策
ユーザーにとって有益な情報を提供したり、使いやすいサイトデザインにしたりすると、サイト滞在率アップやセッション数増加、離脱率ダウンが見込めます。
【ユーザーファースト対策・具体例】
・ユーザーが求める情報をサイト内に含める(コンテンツの充実など)
・サイトの表示速度を高める
・サイトのデザインや構造を整理する
・レスポンシブ化(スマホ対応)を行う
3,被リンク対策
自社ECサイトへの良質な被リンクが増えると、検索エンジンからの評価が高まるので、検索順位アップやサイト流入数増加につながります。
【被リンク対策・具体例】
・サイトの露出を増やす
・専門性の高い情報を載せる
・SNSのシェアボタンを設置する
・関連性の高いサイトや記事にリンクをお願いする
何にせよ、リンクされたくなるような良質なコンテンツ作りが肝になってきます。
有料検索
有料検索とは、Googleなどの検索結果画面上部に表示されるリスティング広告であり、チャネル分類では「Paid Search」に該当するものです。
主な集客施策としては、以下の2つが挙げられます。
- 広告のインプレッション(表示回数)増加
- クリック率(CTR)増加
これら2つをさらに細分化したので、それぞれご確認ください。
1.広告のインプレッション(表示回数)増加
リスティング広告のインプレッションを増やすためには、以下の2つの施策に取り組む必要があります。
①検索キーワード対策
ユーザーニーズに沿った検索キーワードを設定することが重要です。
【検索キーワード対策・具体例】
・ペルソナに合ったキーワードや自社と関連性が高いキーワードを追加する
・競合が少ないニッチなキーワードを狙う
・拡張マッチタイプを検討する
②入札価格の見直し
リスティング広告表示順位は、各検索キーワードの入札価格で変わります。
適正価格に設定することで、広告の表示順位が上がったり、費用対効果がアップしたりするでしょう。
【入札価格の見直し・具体例】
・キーワードプランナーで相場を調べる
・無理のない範囲で入札価格を上げる
・有力キーワードの広告予算を増やす
2.クリック率(CTR)増加
リスティング広告のクリック率が高いほど、ユーザーのサイト流入数も増加しやすくなります。おすすめの施策は、以下の2つです。
①広告オプションの活用
リスティング広告は表示できる文字数が決まっているので、アピールしたい内容を伝えきれないこともあります。
しかし、広告オプションを活用すれば、電話番号や、サイトのリンク情報などを追加で表示できるため、クリック数の増加が見込めます。
【広告オプションの活用・具体例】
・誘導したいページへのリンクを設置する
・電話番号を表示する
・自社の職種・サービス等を表示できる(コールアウト表示オプション)
②広告文の改善
ユーザーの目を引く広告文を掲載すれば、クリックされる可能性も高まるので、結果的にサイト流入数増加へとつながります。
【広告文の改善・具体例】
・ユーザーニーズに沿った広告文を書く
・遷移先の情報を短いキャッチコピーで表現する
・ランキングや満足度といった数値を出す
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告とは、Webサイト上の広告枠に表示される画像広告、あるいはテキスト広告を指します。
チャネル分類だと「Display」に該当するもので、主な集客施策は3つです。
- 広告のインプレッション(表示回数)増加
- クリック率(CTR)増加
- SNS広告
1と2は基本的にリスティング広告と同じですが、ディスプレイ広告の特徴に合わせて対応する必要があります。
1.広告のインプレッション(表示回数)増加
ディスプレイ広告のインプレッション対策としては、以下の3つの施策が挙げられます。
①広告予算の見直し
ディスプレイ広告も広告予算を上げるほど、表示回数が増えるので、サイト流入数も増加しやすくなります。
【広告予算の見直し・具体例】
・無理のない範囲で広告予算や入札価格を上げる
・自動入札機能を用いる
②出稿媒体の見直し
適切な媒体にディスプレイ広告を出稿すれば、広告の表示回数やサイト流入数の増加が見込めます。
【出稿媒体の見直し・具体例】
・ユーザーの属性に合った媒体に出稿する
・複数の媒体に出稿する
③ターゲティングの見直し
ターゲティングの条件を細かく指定すれば、訴求したいユーザーにディスプレイ広告を表示しやすくなるので、サイト流入数の増加につながります。
【ターゲティングの見直し・具体例】
・オーディエンスでユーザーの属性を指定する
・プレースメントで表示させたい媒体を指定する
2.クリック率(CTR)増加
ディスプレイ広告のクリック率を増やしたい場合、有効な施策としては「広告内容の改善」が挙げられます。
クリック率が高いディスプレイ広告が他にある場合、そちらもチェックしながら改善事項を検討することが大切です。
【広告内容の改善・具体例】
・ユーザーニーズに沿った内容で訴求する
・広告のデザインを改善する(画像、色、フォントなど)
3.SNS広告
TwitterやInstagramに表示されるSNS広告は、パラメータを設定してDisplayのチャネルに入れるケースが多く見受けられます。
SNSならではの高い情報拡散力を活かせるため、潜在層も含む多くのユーザーへアプローチが可能です。
ただし、SNSは媒体ごとにユーザー層が異なるので、自社の商材と照らし合わせたうえで、広告の出稿先を決める必要があります。
広告内容とユーザー層がマッチすれば、クリック率増加や情報のさらなる拡散が見込めるでしょう。
【SNS広告の対策・具体例】
・Twitterで若い世代向けの広告を出稿する
・Instagramで女性向け商材の広告を出稿する
・LINEで配信地域を絞り込んで出稿する
他の広告
リスティング広告・ディスプレイ広告以外にも、さまざまなWeb広告が存在しますが、それらを経由した流入はすべて「Other Advertising」のチャネルに該当します。
広告視聴単価型の広告(CPV)やコンバージョン報酬型の広告(CPA)が代表例です。
SNS
Twitter、Facebook、Instagramなど、主流のSNSを含むソーシャルメディアからの流入は「Social」のチャネルに該当します。
NAVERやOKWAVEといったトラフィックも当てはまりますが、その一方でLINEは認識されていません。
必ずしもすべてのソーシャルメディアがSocialの対象ではない点に注意しましょう。
SNSで集客する場合、以下の3つの施策に取り組む必要があります。
1.ユーザーとの相互コミュニケーション
SNSは一方的な発信ではなく、ユーザーとやり取りしながら運用するのが基本です。信頼度や親近感がアップすることで、ファン獲得へと繋がります。
【ユーザーとの相互コミュニケーション・具体例】
・ユーザーの投稿やDMに対して返信する
・ユーザーが欲する情報をSNSで発信する
・画像や動画を使ってわかりやすくアピールする
2.キャンペーンの開催
ユーザーにとってお得なキャンペーンを定期的に開催すれば、認知度アップやフォロワー増加につながります。
【キャンペーンの開催・具体例】
・リツイートしたユーザーに抽選でプレゼントを贈る
・豪華賞品付きのフォトコンテストを実施する
・アンバサダーを募集する
3.インフルエンサーとのコラボレーション
SNSで有名なインフルエンサーとのコラボレーションが実現すれば、商材の特徴や強みを一気に拡散できるので、サイト流入数増加や問い合わせ増加などが見込めます。
【インフルエンサーとのコラボレーション・具体例】
・動画やフィードで商材をPRしてもらう
・レビュー記事をサイト内で紹介する
・コラボレーション商品を企画・発売する
メール
Eメールはインターネット黎明期から存在しますが、今でもさまざまな用途で使われている媒体です。Eメールからの流入は「Email」のチャネルに該当します。
メールを使った集客施策としては、以下の3つがおすすめです。
1.メールマガジン
メールマガジンの配信は最も基本的な手法ですが、低コストで商材の販売促進やユーザーとの関係構築を図ることができる重要な手法です。
【メールマガジン・具体例】
・新商材の発売を知らせる
・セールやキャンペーンを告知する
・ユーザーにとって役立つ情報を提供する
2.セグメントメール
セグメントメールは居住地や生年月日など、ユーザーの属性(セグメント)に応じて送信するメールです。
ユーザー1人ひとりに合わせた情報を送ることで、コンバージョン率アップを実現します。
【ターゲティングメール・具体例】
・ユーザーの誕生日にバースデーメールを送る
・居住地エリアに関する情報を発信する
・属性や購入履歴に合わせておすすめ商材を紹介する
3.リターゲティングメール
リターゲティングメールとは、ユーザーが起こしたアクションを分析したうえで、それに応じて送信するメールのことです。
購買意欲を刺激したり、記憶を呼び起こしたりすることで、コンバージョンにつなげられます。
【リターゲティングメール・具体例】
・カゴ落ちのユーザーに買い忘れがないか確認する
・資料請求したユーザーに改めて訴求する
・しばらくアクションがないユーザーにお得な情報を伝えて掘り起こす
他のサイトからの参照
他のサイトの記事やリンクを参照(リファラル)して、そこから流入してきた場合は「Referral」のチャネルに該当します。
自社ECサイトと関連性のあるサイトから流入を増やせば、認知度アップや売上アップにつなげることが可能です。
参照元サイトから集客を狙う場合、以下の施策に取り組むことを推奨します。
1.有力サイトとの提携
多くのユーザーが訪れるサイトと提携すれば、自社ECサイトに注目が集まりやすくなるので、結果としてサイト流入数増加が期待できます。
【有力サイトとの提携・具体例】
・ニュースメディアと提携してサイトの露出を増やす
・各業界のポータルサイトでコンテンツを発信する
2.コンテンツの見直し
ユーザーにとって有用なコンテンツを作成すれば、まとめサイトや有名人のブログで紹介してもらえる可能性が出てきます。
情報が拡散するため、認知度アップや問い合わせ増加などにつながるでしょう。
【コンテンツの見直し・具体例】
・コンテンツのターゲットを明確にする
・専門性や信憑性の高いコンテンツを発信する
3.スパムサイトの除外
短期間で参照元サイトのリンクが急増した場合、スパムサイトが混在しているかもしれません。Referralの確認・分析に悪影響が生じる可能性もあるので、きちんと除外しましょう。
【スパムサイトの除外・具体例】
・Googleアナリティクスのボットフィルタリング機能を使う
・Googleアナリティクスのフィルタ設定を行う
・外部ツールを導入してブロックする
直接流入
直接流入とは、検索エンジン、Web広告、SNS、他のWebサイトといった媒体を経由しない流入であり、チャネル分類だと「Direct」に該当します。主な事例は以下のとおりです。
・URLの直接入力
・ブックマーク
・アプリ
・QRコード
・メール(パラメータがない場合)
直接流入の場合、後述するパラメータ付与をあらかじめ実行しないと、どこから流入してきたのか特定できないケースもあります。
一方、スマホアプリやQRコードの普及により、直接流入自体は増えている傾向にあるため、何らかの施策が必要です。
以下のような施策に取り組めば、直接流入を促せるので、結果として多くのユーザーにアプローチすることができます。
1. ブックマーク登録増加
2. 紙媒体の活用
具体的な施策もまとめたので、一緒にご確認ください。
1.ブックマーク登録増加
自社ECサイトのブックマーク登録者数を増やすことができれば、その分だけ問い合わせ増加や売上アップにつながる可能性も高まります。
【ブックマーク登録増加・具体例】
・ブックマーク登録ボタンをサイト内に設置する
・ユーザーに有益な情報を提供してブックマーク登録を促す
2.紙媒体の活用
インターネットが普及した現代社会でも、チラシ・ハガキ・DMといった紙媒体は使い方次第で役立ちます。
ECサイトにおいても例外ではなく、Web媒体・紙媒体のダブルアプローチが有効です。
【紙媒体の活用・具体例】
・ポスティングチラシにECサイトのQRコードを掲載する
・はがきDMにセール専用ページのQRコードやURLを掲載する
チャネルのGA設定方法
Googleアナリティクスでは、アクセス解析ツールとして「パラメータ」があります。
ECサイトの集客で結果を出すためには、各チャネルの特徴を踏まえたうえで、Googleアナリティクスにおけるパラメータの設定方法を知っておく必要があります。
なぜなら、適切なパラメータを付与しなかった場合、ユーザーがどのチャネルを経由してECサイトにアクセスしてきたのかを正確に解析できなくなるからです。
パラメータはURLに付与する形で設定しますが、これによりユーザーの流入経路を詳しく調べることができます。
先述した各チャネルの広告施策も、正確な解析データがあってこそ初めて効果を発揮します。
そこで、パラメータの種類やGoogleアナリティクスでの設定方法をまとめました。
Googleアナリティクスのパラメータの種類
Googleアナリティクスでは、以下に挙げている5種類の「utmパラメータ」を使用します。
パラメータ名 | 解析データ | 説明 |
utm_source | 参照元 | 流入元を識別 |
utm_medium | メディア | 流入手段を識別 |
utm_campaign | キャンペーン | キャンペーンの詳細を識別 |
utm_term | キーワード | 有料検索のキーワードを識別 |
utm_content | 広告コンテンツ | 広告の効果を識別 |
各utmパラメータの種類や役割をそれぞれ解説してまいります。
①utm_source(参照元)
「utm_source」とは、ユーザーがどのWebサイトからアクセスしてきたのか、流入元(参照元)を解析するためのパラメータです。
チャネル戦略を実行するにあたり、設定は必須です。
このパラメータで指定する値は、検索エンジン・ニュースレター・SNSといった各サイトの名称です。具体的な指定区分としては、以下のような例が挙げられます。
指定区分 | utmパラメータ |
Google広告 | utm_source=google |
Yahoo!プロモーション広告 | utm_source=yahoo |
Facebook広告 | utm_source=facebook |
②utm_medium(メディア)
「utm_medium」とは、ユーザーがどの媒体からアクセスしてきたのか、流入手段(メディアの種類)を解析するためのパラメータです。「utm_source」と同じく設定必須です。
このパラメータで指定する値は、デフォルトチャネルグループの定義に基づく規定の文字列です。例えば、以下のような指定区分があります。
指定区分 | utmパラメータ |
リスティング広告 | utm_medium=cpc |
ソーシャルメディア | utm_medium=social |
メールマガジン | utm_medium=email |
適切な値を入れて指定すれば、Googleアナリティクス側がデフォルトチャネルグループへと自動的に振り分けるので、各チャネルの解析データを確認できるようになります。
③utm_campaign(キャンペーン)
「utm_campaign」とは、ユーザーがどのキャンペーンを利用してアクセスしてきたのか、各キャンペーン戦略を解析するためのパラメータです。こちらも設定は必須です。
パラメータの値には、対象のキャンペーン名やプロモーション名を指定しますが、各担当者にとってわかりやすい内容を入れて構いません。
また、スポンサードサーチとYDNを分けるといった使い方も可能です。以下の例も併せてご覧ください。
指定区分 | utmパラメータ |
夏のセール | utm_campaign=2022_summersale |
YSA | utm_campaign=yss |
YDA | utm_campaign=ydn |
このようなパラメータを指定すれば、キャンペーンごとの流入数や推移を細かくチェックできるようになります。
④utm_term(キーワード)
「utm_term」とは、ユーザーがどの有料検索(リスティング広告)からアクセスしてきたのか、検索キーワードを解析するためのパラメータです。
先述した3種類のパラメータと違い、任意設定です。
こちらを設定すれば、入札中のキーワードと流入キーワードを一致させて解析することが可能になります。
その一方、検索クエリが取得できない、作業ミスが起こりやすいといったデメリットも発生します。
パラメータの値は検索キーワードに合わせて、以下のように指定しましょう。
指定区分 | utmパラメータ |
DVD | utm_term=DVD |
靴 | utm_term=shoes |
メリット・デメリットが並存するパラメータなので、余計な手間を増やさないためにも、必要があるときだけ設定してください。
⑤utm_content(広告コンテンツ)
「utm_content」とは、どの広告コンテンツからアクセスしてきたのか、より細かく解析するためのパラメータです。「utm_term」と同じく任意設定となります。
広告のA/Bテストを実施したり、メルマガ1本に対して複数のリンクを設置したりする場合、このパラメータで指定すれば、それぞれ区別しながら計測することが可能です。
こちらも解析対象に合わせて、パラメータの値を設定します。
指定区分 | utmパラメータ |
有料広告のバナー | utm_content=banner01 |
同一コンテンツ内のリンク | utm_content=link001 |
どのパラメータが何を指定しているのか、きちんと管理する必要はありますが、より綿密な解析作業ができるので、必要に応じて活用しましょう。
Googleアナリティクスでのパラメータ付与の流れ
Googleアナリティクスのパラメータは自動的に付与されるものではなく、EC担当者が自分できちんと設定する必要があります。
パラメータ付与の作業自体はそれほど難しくありません。基本的な流れやポイントを押さえておきましょう。
リンク先URLの末尾に「?」を付けパラメータを連結
パラメータを付与する場所は、ユーザーにアクセスしてもらいたいリンク先URLの末尾です。
半角記号の「?」を付けてから、その後ろにパラメータを入れて連結します。
▼単独パラメーターの場合
https://www.sample.co.jp/?utm_source=google
「?」の抜けや入力ミスがあると、正しく解析できないのはもちろん、ユーザーがアクセスできなくなる可能性も出てくるので、特に注意しましょう。
パラメータが複数ある場合は「&」記号によって連結
1つのリンク先URLに対して複数のパラメータを同時に付与する場合、各パラメータの後ろに半角記号の「&」を入れて連結します。
▼複数パラメーターの場合
https://www.sample.co.jp/?utm_source=google&utm_medium=cpc&utm_campaign=sale01
複数のパラメータを付与すると、URLがかなり長くなってしまう場合もあります。ユーザーに悪い印象を与える可能性があるので、URL短縮ツールなども活用しましょう。
設定必須のパラメータ以外は省略可能
5種類あるパラメータのうち「utm_term」「utm_content」は任意設定なので、パラメータの値をブランクにするか、あるいはパラメータ自体を付与しない形で省略できます。
一方「utm_source」「utm_medium」「utm_campaign」は、どのようなケースでも設定必須と公式でも明記されていますが、実は「utm_campaign」のみ省略しても問題ありません。
いずれも解析には影響しないので、必要に応じて省略しましょう。
リンク先URLに対して既に別のパラメータが付与されている場合は「?」記号ではなく「&」記号でパラメータを連結
リンク先URLによっては遷移先を指定する「アクティブパラメータ」など、Googleアナリティクスの解析用とは別のパラメータが付与されているケースもあります。
ただ、目的は違ってもパラメータという扱いは変わらないため、新たなパラメータを付与するときは、以下のように「&」記号で連結します。
▼アクティブパラメータ+解析パラメータの場合
https://www.sample.co.jp/?block1&utm_source=google&utm_medium=cpc&utm_…
必要に応じてリンク先URLと「#」の間にパラメータを連結
ページトップや特定の見出しを指定して飛ぶ「#」記号がリンク先URLに含まれる場合、リンク先URLと「#」の間にパラメータを付与します。
最初に「?」記号を入れる点や「&」記号で連結させる点など、基本的なルールは変わらないので、以下のように挟んで記載すれば問題ありません。
▼#を含むURLの場合
https://www.sample.co.jp/?utm_source=google&utm_medium=cpc#step1
最初から別のパラメータが付与されている場合でも、同じように挟みましょう。
Googleアナリティクスのパラメータ付与に関する注意点
パラメータの内容は解析したいデータによって変わりますが、どのようなパラメータを付与するにしろ、必ず押さえるべき注意点は「値に日本語を入れないこと」です。
Googleアナリティクスでは、日本語使用禁止というルールこそ定められていないものの、日本語を入れると高確率で文字化けが起こります。
もし文字化けが起こった場合、正確な解析ができなくなってしまうため、原則パラメータは半角英数字、および「-(ハイフン)」などの半角記号で入力することを心がけましょう。
ただ、あらかじめ日本語をエンコードしてから値に指定すれば、文字化けを防ぐことができます。
「utm_campaign」や「utm_term」にどうしても日本語を入れたいときは、この方法を使いましょう。
Googleアナリティクスでのパラメータ付与におすすめのツール
パラメータを付与するにあたって、おすすめのツールが「Campaign URL Builder」です。
画面の指示に沿って入力項目を埋めると、パラメータが付与されたURLが自動的に作成されるので、手動入力によるミスを防ぐことができます。
英語表記のツールですが、ブラウザの機能を使えば日本語に翻訳されるため、英語が苦手でも問題ありません。
Chromeの場合、右クリックメニュー「日本語に翻訳」を選択しましょう。
ツールの設定画面では複数の項目が表示されますが、入力する項目は以下の6つです。
・ウェブサイトURL(リンク先URL)
・キャンペーンソース(utm_source)
・キャンペーン媒体(utm_medium)
・キャンペーン名(utm_campaign)※
・キャンペーン期間(utm_term)※
・キャンペーンコンテンツ(utm_content)※
※は省略可能
引用元: Campaign URL Builder
入力が一通り終わると、その直下にURLが表示されるので、それをコピーすればOKです。
EC集客でチャネルごとの効果を最大化しよう
自社ECサイトの集客を成功させるためには、チャネル戦略がとても重要です。
チャネル分類や各チャネルの具体的な施策はもちろん、Googleアナリティクスにおけるパラメータの種類や役割、設定方法もきちんと押さえる必要があります。
どの集客方法が適しているか見極めるためには、自社ストアの状況を明確にすることも大切です。
他にも集客方法をお探しの方は、下記記事も参考にしてみてください。
参考: ネットショップの集客方法について徹底解説 | オープンロジ
それぞれのチャネルごとの効果を最大化すれば、サイト流入数も大きく増加するため、自社の強みや商材の魅力をより多くのユーザーにアピールできます。
ただ、施策を実行するには、人員やコストがかかるため、リソース不足から行動に移せないケースもあるかもしれません。
WCAでは、最適なチャネル戦略の立案から、解析における各種設定までまるっとお受けすることができます。
チャネルごとの施策に興味がある方は、ぜひ一度ご相談ください。