EC市場の現状は?最新の分野別トレンドとECサイト運営のコツをご紹介
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ECサイト分析
インターネット上に売り手と買い手が集まるEC市場。物事が目まぐるしく変化している現代で、今の規模や今後の展開がとても気になりますよね。
ECサイトも、基礎知識だけじゃなくEC市場の動きに合わせて効果的な運営をしていきたいところです。
ここでは、
「EC市場の規模って今どうなっているの?」
「サイト運営に活かせることは何?」
と気になるあなたへ、現在のEC市場がどういう状況なのかを、分野別に国が発表する市場調査のデータを用いてお伝えします。トレンド・推移・課題を知り、今後どのようにECサイトを運営するのかをはっきりさせていきましょう!
目次
EC市場とは
EC市場とは、主にインターネット上で商品を売買して取引が行われる場のことです。厳密にいうともう少し広い意味を持つ言葉なのですが、ECサイトを運営するうえでは上記の意味を押さえておけば十分でしょう。
さまざまなジャンルの商品がECを通じて取引されており、デジタル系だけでなく、物販やサービスなどもEC市場に参入しています。
あなたも、日用品・家具・衣服などをAmazonや楽天市場で購入することがあるのではないでしょうか?今や多くの人にとって日常的なものであり、肌感覚でもわかるほどEC市場は大きくなってきています。
EC市場についての理解を深め、自社のサイト運営にノウハウを落とし込んでいくことがECサイト運営のポイント。後述するEC市場についての内容をぜひサイト運営に活用してみてください!
EC市場の分野別トレンド
直近のEC市場はどのようなトレンドになっているのかを見ていきましょう。
以下の3つの分野について、経済産業省が2022年に発表した電子商取引に関する市場調査の結果を用いてお伝えします。
- 物販系
- サービス系
- デジタル系
物販系
以下の図は、物販系分野のBtoC-EC市場規模についてのデータです。
※引用元:電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました|経済産業省(2023年2月時点)
「市場規模」は、その分野のECでの売上。「EC化率」は、その分野の売上のうちECを通じて流通した割合を指します。
このデータより、
「食品、飲料、酒類」
「生活家電、 AV機器、PC・周辺機器等」
「生活雑貨、家具、インテリア」
「衣類・服装雑貨等」
といった4つのカテゴリーだけで7割以上を占めていることが分かります。
大きな要因は、新型コロナウイルス感染症によって生活様式の変化があったため。外出を控えて家で過ごす時間が長くなり、これまでECサイト経由で購入しなかった商品も自宅から注文をして手に入れるようになりました。
大きな食料品店や家電量販店へ行くのは抵抗があると感じた方が多かったはず。それがEC市場を大きくした一因でしょう。
また、これまではネットショッピングに抵抗があった人も、ECサイト経由の利便性を知るきっかけになりました。そのため、感染状況が変わったとしてもEC市場はそう簡単には小さくならないと考えられます。
サービス系
以下の図は、サービス系分野のBtoC-EC市場規模についてのデータです。
※引用元:電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました|経済産業省(2023年2月時点)
残念ながら、サービス業全般においての市場規模は著しく低下。中でも「旅行サービス」「チケット販売」の2つが大きく減少しました。これらは、外出自粛により旅行やイベントへ出かける機会がほとんど無くなったのが原因です。
ただし、コロナウイルスは規制が緩和されつつあり、2023年の5月より季節性インフルエンザなどと同じ扱いの「5類」に位置づけられると予想されます。
国内だけじゃなく、インバウンドの誘客も期待できるので2022年の市場規模は減少しつつも今後は拡大が期待できるでしょう。
デジタル系
以下の図は、デジタル系分野のBtoC-EC市場規模についてのデータです。
※引用元:電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました|経済産業省(2023年2月時点)
デジタル系分野では、「電子出版」「有料動画配信」の伸びが顕著。こちらも、自宅での滞在時間が長くなったことが一因であると考えられます。
デジタル系分野に当てはまるのは、Kindle United・Amazon Prime・Huluなどのサブスクリプションサービスが多いです。1度ハマったものはそのまま解約しない人も多いので、デジタル系分野のEC市場の今後にも期待できます。
また、デジタル系分野は新たな産業が生まれ続けています。NFTやメタバースなどによってデジタルデータの価値が上昇しています。
例えば、ツイッター社のジャック・ドーシー氏最高経営責任者(CEO)の初ツイート(電子データ)が2022年3月に291万5835ドル(約3億1640万円)で落札された件。ほかにも、デジタルデータの価値あるクリエイティブが高値でやりとりされています。
それらの新たな動向も踏まえると、デジタル系EC市場規模は予測できない大きな動きを見せる可能性があるでしょう。
EC市場の規模が大きく伸びている3つの理由
成長している産業や停滞している産業などいろいろありますが、EC市場全体は右肩上がりで成長しています。
日本国内の「EC市場規模」と「EC化率」を表した図をご覧ください。
※引用元:電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました|経済産業省(2023年2月時点)
右肩上がりでキレイですよね。なぜこれほどEC市場が成長しているのか、3つの主な理由を紹介します。
- スマホでのECサイト利用率の増加
- ECプラットフォームの機能向上
- 生活様式による需要の増加
それぞれ詳しく見ていきましょう。
スマホでのECサイト利用率の増加
EC市場が伸びている理由の1つ目は、スマホでのECサイト利用率が増加したこと。どこでも持ち運びやすく、手軽に操作できるため商品購入のハードルが低くなったからです。
Google検索の順位を決める1つとして「モバイルに対応していること」という条件があります。これを「モバイルファーストインデックス」といい、スマホでも操作しやすいサイトが増えました。この現象がスマホ利用が増加している理由だといえるでしょう。
また、InstagramやTikTokなどのスマホアプリを利用したSNSでも商品が売れるようになりました。主な手段がブログ記事だったアフィリエイトも、モバイルファーストインデックスを意識するようになり、スマホ経由で商品を購入する機会が多くなっています。
ECプラットフォームの機能向上
ECの市場規模が大きくなるにつれ、ECモールなどのプラットフォームの機能も向上しています。それにより、ユーザーの利便性が良くなったことでさらなるEC市場の拡大につながっています。
ネット販売で、商品購入までのハードルとなるのが決済です。商品をカートに入れたにも関わらず、購入されないことをカゴ落ちといい、一般的にECサイトのカゴ落ち率は70%ほど。決済の段階でつまづいてしまい、購入を諦めてしまう人が多くいることが分かります。
そこで、ECプラットフォーム側は決済の段階でつまづかないようにアカウントの連携や統一した決済手段の導入など工夫を凝らし始めました。スマホも、顔認証でクレジットカード入力ができる機種が出てくるなど、決済のハードルは徐々に下がりつつあります。
このほか、EC事業者の業務効率化・管理ツール・ユーザーが使いやすいデザインテンプレートなど、利便性を高める機能が増えてきていることが挙げられます。
生活様式による需要の増加
それぞれの分野ごとのEC市場の傾向を見ると、顕著なのが2020年から広がった新型コロナウイルス感染症による影響。これにより、生活様式が劇的に変化した人も多いのではないでしょうか。
当初は、近くのスーパーに行くのもためらってしまうほど外出しにくくなっていました。事務所への出勤やレジャーなどの自粛を要請され、リモートワークが推奨されたので自宅で過ごすことが多くなりましたよね。
家で快適に過ごせるグッズが新たなニーズとして生まれ、生活必需品という従来のニーズも相まってネット経由で商品を購買する人が増えました。その日常化によって決済ハードルも下がり、ネット経由での購入は続くと考えられるためEC市場も成長していく見込みです。
ECサイト運営は目的を明確に
現在成長しており、今後も拡大していく見込みのEC市場。では、これからEC業界に参入していくなら何に気をつけるといいのでしょうか。
最も重要なのは、EC事業によって達成したいことを明確にすること!
「売上を伸ばすことじゃないの?」
と思うかもしれませんが、もっと具体的な目的を定めてゴールを販売する商品の検討やアプローチ方法に活用しましょう。
もちろん、EC事業に参入する大きな目的は売上の向上でしょう。しかし、どのフェーズの顧客にアプローチするかによってECサイト運営の戦略は大きく変わります。
- 見込み客を獲得したい
- 新規顧客を獲得したい
- リピーターを獲得したい
- ファンづくりを強化したい
など、顧客とあなたとの関係性の強さによって目的はさまざまです。
見込み客を獲得するのであれば、多くの人に刺さる内容や手に取りやすい価格帯に。ファンづくりを強化したいのであれば、ファンの限定的なニーズを掴んだり高価格帯に設定したりするのが効果的です。
ECサイト運営の3つの課題
EC市場は伸びているとはいえ、ECサイトの運営には主に以下の3つの課題があります。
- EC市場のレッドオーシャン化
- ノウハウ不足
- リソース不足
あなたのサイトと照らし合わせながら、どのように行動していけば良いかを参考にしてみてください。
EC市場のレッドオーシャン化
EC市場が拡大し、参入する企業は膨大に。表現を変えれば、ライバルが多く競争が激しいレッドオーシャン状態になっています。
ECサイト運営は、個人が費用をかけずに運営できるほど手軽になり誰でも始められるようになりました。しかし、レッドオーシャン化したことで顧客があなたのサイトを見つける機会が減少。集客の難易度が上がっています。
まずは、ECサイト運営の目的を見直し、独自の集客方法を確立しておくといいでしょう。既存顧客のリストにECサイトを紹介してもいいですし、YouTubeやInstagramなどのSNSから導線をひくのも選択肢の1つです。
また、ライバルが多い中で自社商品を購入してもらうには、明確な差別化も必要です。理想は、顧客にとってあなたからしか買えないものを提供することです。ターゲットを絞り、ピンポイントでニーズが満たせるようなサービスや商品を考えましょう。
EC市場が拡大している分、厳しい状況に立たされるサイトも出てきますが、しっかりと対策をすれば売上アップが期待できます。
ノウハウ不足
誰でも費用をかけずに立ち上げられるECサイトは、ノウハウを持たずに運営する企業も増えています。
成果を出すためにはサイトの数値分析が非常に重要なので、最低限の見るべきポイントは押さえておきましょう。
- サイトの訪問者数
- サイトの滞在時間
- ボタンのクリック率
- 購入率(転換率)
これらは必須項目。商品の詳細ページや関連商品など、さらに細かな確認も必要です。各数字を分析し、平均と比べて悪い箇所があればその原因を模索しましょう。
訪問者数が少ないのなら、商品のサムネイル・商品名・タグの設定などに問題があるかもしれません。ボタンのクリック率は、配置・形・色など。購入率は、サイト内の文章・流れ・口コミ・ポイントの有無などが影響します。
余裕があれば、ABテストと呼ばれるテストを実施するのがおすすめです。
対照実験といわれるもので、1つの条件以外を変えないままだと結果はどれほど違うのかを測定するテストです。変更すべき点がはっきりわかるので、明確な根拠を持ってサイト修正に取り組めます。
リソース不足
ECサイトの運用は、能力・時間・資金などの多くのリソースがかかります。
例えば、本格的なサイトを構築するには、
- デザイナー
- コピーライター
- マーケター
- 動画や画像などのコンテンツ製作者
- 販売、顧客管理者
- マネージャー
- エンジニア
などのスキルを持つ人が必要。簡易的なサイト運営であっても、マーケティング・ライティング・デザインの質は重要です。
内部人材で担える人材がいなければ、外部に委託すると良いでしょう。費用はかかりますが、経験の浅い人材がすべてを担ってECサイトを運営するのは難易度が高めです。
EC市場を押さえ、効果的なECサイト運営を!
今度もさまざまな分野で拡大が期待できるEC市場。Googleの検索順位の条件やSNSのスマホでのEC利用が加速させており、ECサイトの運営にも良い影響を与えるでしょう。
しかし、売り上げが伸びたり運営しやすくなったりするとは限りません。ECプラットフォームの機能は改良され続けていますが、レッドオーシャン化・ノウハウ不足・リソース不足の3つの課題は常に意識しておくのがおすすめです。
まずは、ECサイトの運営目的を詳細かつ明確に設定しましょう。
不安があるという方は、弊社「株式会社WCA」にご相談ください。ECサイト運営のノウハウと実績を活かし、スタートからゴールまでトレンドに沿って総合的にあなたのECサイトのサポートをします。
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