楽天の「最強配送」ラベルで売上アップ!取得条件とやること4選
ECコンサル
インターネット通販市場で高いシェアを誇る楽天市場。さまざまなユーザーがいる中で、多くの需要に応えるために「配送品質向上制度」を2024年7月1日にスタートしました。
それにより、2024年6月30日に「あす楽」ラベルは廃止!ユーザーを大切にした新しい基準で表示できるようになったのが「最強配送」ラベルです。
今後ますます対応するショップや商品が増えていくなか、自社が出遅れていると検索順位の低下や売上の減少をまねくかもしれません。
ここでは、
「最強配送ってどんなメリットがある?」
「具体的に何をすれば取得できる?」
とお悩み中のあなたへ、最強配送ラベルを取得する魅力と4つの条件をご紹介。競合商品にラベルがついているから焦っている、やってみたいけどなかなか行動できていない人に、ラベル取得への準備が進む情報です!
ぜひ参考にしながら、楽天商品の検索順位や売上のアップを目指しましょう!
目次
楽天の「最強配送」ラベルをユーザーに見つけてもらおう
最強配送は楽天ユーザーが安心できる表示ラベル
楽天市場は、2024年7月1日に「配送品質向上制度」をスタートしました。ユーザーが安心して楽しく買い物ができるように、配送のクオリティを高めてより良い環境を整えるのが目的。また、楽天市場への集客と出店者への利益アップにつなげるためです。
この配送品質向上制度の厳しい条件をクリアした商品だけがもらえるのが「最強配送」というラベル。最強配送ラベルがついた商品は、ユーザーにとって安心できるという証拠です。
- すぐに届く
- お届け日が明確になる
- 送料込みの料金がわかりやすい
- ショップの信頼度がわかりやすい
- 何かあったらすぐに適切に対応してもらえる
お届け日が365日いつでも最短翌日になり、送料込みの料金が明確に。万が一、日付指定日に買った商品が届かなくても、楽天市場の補償サービスが全額返金とポイント還元で手厚くサポート。
信頼性の高い配送サービスを提供し始めたことで、ユーザーが商品を検索したり比較したりなど購入するまでの体験の価値が高まりました。
最強配送ラベルの取得で売上アップが期待大!
最強配送は、ユーザーだけに魅力的なものではありません。ラベルを取得する条件や表示し続ける環境づくりは大変かもしれませんが、出店者にも大きなメリットがあります。
- 検索順位アップ
- 信頼性アップ
- 売上アップ
- 口コミやリピート数アップ
ユーザーが商品を探しやすく、お届け日や料金が分かりやすくなるのが最強配送。ラベルの取得に動き出せば、ショップ全体の成長が期待できます。
反対に、今やっておかないと、最強配送ラベルを表示する競合商品に検索順位が抜かれたり既存顧客や見込み客が取られてしまったりするかもしれません。ラベルの取得や表示のための業務負担・コスト増よりも売り上げが少なく、ショップ全体の収益が減るおそれがあります。
楽天ショップが最強配送ラベルを取得するメリット
最強配送ラベルを取得した楽天ショップ側に対する、以下のメリットを詳しく見てみましょう。
- 検索順位アップ
- 信頼性アップ
- 売上アップ
- 口コミやリピート数アップ
1つずつ解説します。
検索順位アップ
最強配送ラベルが付与される配送品質向上制度は、楽天市場が現状のユーザーや出店者に合わせて用意した最新のもの。ユーザーに最適化した結果を出す検索順位も、最強配送ラベルがあると上位を獲得しやすくなっています。
2024年8月現在では、最強配送ラベルのついた商品が検索上位を総なめにしているわけではありません。理由は、ラベル未対応の店舗がとても多いため。最強配送が取得できれば、今すぐに順位が上がるとは言い切れませんが競合商品より優位な位置を確保できるでしょう。
信頼性アップ
配送品質向上制度は、2024年7月1日にスタートしたばかり。最強配送というラベルの意味を知らないユーザーが多数かもしれません。しかし、どういったものが知っているユーザーには、信頼できる商品を販売するショップだと認識されます。
というのも、厳しい条件をクリアしているだけじゃなく、万が一商品が配達予定日に届かなかったら「楽天あんしんショッピングサービス」の遅延補償を受けられるため。
- 合計購入金額(税込)の5%相当の楽天ポイント(期間限定)を付与
最強配送ラベル付きの商品は、最短お届け日を指定するためキャンセルができません。その代わり、予定どおり商品が届かなかったらポイントがつくということ。
顧客の都合で受け取りが遅れたり、最強配送ラベルなしの商品と同時注文したりなどの例外はありますが、ユーザーにとってより安心できるサービスです。
※参照元:配送遅延の補償|楽天グループ株式会社(2024年8月時点)
売上アップ
検索順位が上がり、信頼性が高いと認識された商品は、商品ページやショップのTOPページへのアクセス率がアップ。検索欄から「特定の物を探している」購買意欲の高いユーザーに注目されやすいため、商品の売上アップが期待できます。
最強配送ラベルが表示されるのは以下の3箇所。
- 検索結果ページの「ショップ名」の上
- 商品ページの「配送予定」の下
- 買い物かごの「金額」の下
赤文字、赤枠のラベルなので同じ商品が検索欄に並んだときに目立ちます。
反対に、最強配送ラベルがついていない商品は、ページへのアクセスや売り上げが減るかもしれません。今後ますます赤いラベルが増えると予想でき、ユーザーにとって便利で安心な商品が目立つようになるためです。
口コミ数やリピート数アップ
最強配送ラベルを見て、商品ページにアクセスし、実際に商品を受け取った顧客からは高評価!配送品質の向上によって満足度が格段に上がります。
口コミでは高い評価をつけてくれやすくなり、再度購入してくれる確率もアップ。購入前にレビューを見たユーザーに良い印象が与えられるため、新規顧客の獲得にもつながります。
最強配送ラベルを取得する4つの条件
最強配送ラベルの取得は商品とショップの両方に基準が設けられており、すべてをクリアするのが条件です。
- 楽天SKUプロジェクトへの対応
- 最短お届け日表示機能への対応
- ショップ全体の「店舗基準」をクリア
- 楽天商品の「商品基準」をクリア
ただし、さまざまな商品を販売する出店者に合わせて例外もあります。
各条件の内容を詳しく見ながら「なぜユーザーが安心して購入できるのか」を考えてみましょう!
楽天SKUプロジェクトへの対応
1つ目の条件は、ユーザーにとってより使いやすい楽天ショップを提供するため「楽天SKUプロジェクト」を導入していること。2023年4月にスタートした、商品の管理(登録)や商品ページの表示形式が変わる新しい企画です。
楽天SKUプロジェクトの主な特徴はこちら。
- 同一商品の異なる仕様やバリエーションの管理が効果的になる
- 同類の商品が同一ページに掲載でき、詳しい特徴が紹介しやすくなる
- 楽天市場内でのSEO(検索エンジン最適化)に有効で検索上位を獲得しやすい
楽天SKUプロジェクトに対応すれば、商品ページの離脱率が下がったり商品のバリエーションが細かく設定できたりします。
例えば、コーヒー関連で「コーヒー豆300g」「コーヒー豆500g」のみ販売している場合。楽天SKUプロジェクトに対応すると「コーヒー豆800g」「コーヒー豆1,200g」「コーヒー粉(中粗挽き)600g」など最大6つまでユーザーが選べるようになります。
最短お届け日表示機能への対応
2つ目の条件は、商品が届くタイミングをはっきりとさせるために「最短お届け日表示機能」を設定すること。
楽天市場では2023年8月から最短のお届け日が注文画面に表示されています。その流れを受けて、最強配送ラベルがついた商品にも「最短でいつ届くのか」を登録し表示するルールが設けられました。
最短お届け日表示機能に対応すると、注文の締め時間とお届け予定日の文言が配送最強ラベルの上に表示されます。
- 〇〇/〇〇 12:00までの注文で最短〇〇/〇〇お届け
受注後、ショップ>配送会社>お客様に届くまでの時間をリアルタイムで計算して表示するため、ユーザーが安心して購入できます。
ショップ全体に関する「店舗基準」をクリア
楽天SKUプロジェクトや最短お届け日表示機能に対応しても、楽天市場が定めた「店舗基準」を満たさないと最強配送ラベルが取得できません。
具体的には以下の4点です。
- 納期の遵守率:96%以上
- 6日以内のお届け件数比率:80%以上
- 出荷件数:1月100件以上
- 共通送料込みラインの導入(39ショップ)
ラベルを表示させたい商品だけじゃなく、ショップ全体の商品に対する納期や出荷件数が対象。ユーザーがどの商品を選んでも、一貫して信頼できる配送サービスを受けられることが条件です。
楽天商品に関する「商品基準」をクリア
最強配送ラベルを表示させたい商品についても、楽天市場が定めた「商品基準」を満たす必要があります。
具体的には以下の4点です。
- 365日いつでも出荷ができる
- いつでも「翌日お届け」が指定できる(※午前の注文)
- いつでも「翌々日お届け」が指定できる(※正午以降の注文)
- 日付指定ができる
これらをクリアすると「最強配送ラベル」が表示されます。商品検索画面の右上または左のサイドバーメニューにある「お届け先」の都道府県が対象エリアとなっているユーザーにのみ、翌日または翌々日に配送ができます。
例外
店舗基準や商品基準には、ショップのジャンルや商品の性質上、条件にカウントしない例外が認められています。
例外 | 例 | |
店舗基準 | 6日以内の発送が難しい商品は比率の計算から除外 | ・オーダーメイド ・名入れ ・未発売日のもの ・バレンタイン ・ホワイトデー ・母の日 ・父の日 ・敬老の日 ・ハロウィン ・クリスマス ・おせち |
楽天スーパーロジスティクス(RSL)の利用で、受注後タイムリーに出荷指示データが連携できる場合は除外 | ・商品の入荷から配送まで →楽天側が対応 | |
商品基準 | 年末年始(12/31〜1/3)および月1回の休業日は除外 | ・1月1日に注文 →1月4日にお届け |
土日祝は締切時間を最短午前9時に設定可能 | ・土曜日の午前11時に注文 →翌々日の月曜日にお届け | |
追跡可能メール便(特定送料を含む)は除外 | ポスト投函の商品は日付指定ができなくてもOK |
例えば、自社商品のラインナップに「クリスマス用のプレゼント」がある場合、7日以前から販売し始めても、ほかの条件をクリアしていれば最強配送ラベルの取得が可能です。
最強配送ラベルの取得のためにやること
4つの条件を見て、あなたのショップや商品は「納期率96%以上」や「365日いつでも発送」などがクリアできそうですか?
最強配送ラベルを取得するには、さまざまな準備が必要。もしかすると、今の運営体制をガラッと変えないといけないかもしれません。
ユーザーがより便利で安心できる買い物ができるように、条件を満たすためにやることを詳しく見ながら「自分も取得できそうかどうか」を考えてみましょう!
- 楽天SKUプロジェクトに移行する
- お届け日表示機能を設定する
- 共通の送料込みラインを導入する
- 365日迅速に対応できる体制をつくる
1つずつ解説します。
楽天SKUプロジェクトに移行する
楽天SKUプロジェクトに対応していないショップは、移行作業を進めましょう。SKU単位で最強配送ラベルを取得するためです。
日本ECサービス株式会社の調査によると、2024年3月時点で、移行が完了またはほぼ完了したショップは回答数(471人)の約8割。2023年4月からスタートした楽天市場の新しい取り組みに、多くのショップが注目し積極的に移行しています。
※参照元:楽天ショップのSKU完全対応は、約3割。【SKUプロジェクト移行後の対応状況を調査】|ECマスターズクラブ 日本ECサービス株式会社(2024年8月時点)
移行する際のチェックポイントはこちら。
- 統合する商品ページの適合性
- 商品画像がガイドラインに遵守しているか
- 商品名がガイドラインに遵守しているか
- 商品レビューの移行の申請
- SKU画像の登録
楽天SKUプロジェクトに移行後は、180日以内に必須商品属性の登録が必要です。登録しないと、新規商品の登録や更新ができません。検索結果で見つけてもらいにくくなり、売上機会を逃すおそれがあります。
▼楽天SKUプロジェクトの詳しい情報はこちらをご覧ください。
最短お届け日表示機能を設定する
最短お届け日表示機能に対応していないショップは、設定作業を進めましょう。
未対応の場合は「3〜5営業日以内に発送」のようなあいまいな表示ですが、ユーザーにより正確なお届け可能日を表示して伝えられる機能が2023年6月からスタートしています。
設定の主な流れはこちら。
- RMSにログイン後、歯車マークの「店舗設定」をクリック
- 「6 基本情報設定」の「1 配送・送料設定」をクリック
- 最短お届け可能日設定から「出荷リードタイム」「出荷元住所」などを設定
出荷リードタイムは、受注後に配送会社に荷物を渡すまでの日数のこと。配送リードタイムは、荷物を渡してから顧客に届けるまでの日数のこと。地域別に設定するのが最適で、配達日時が指定できる商品(1SKU)ごとに登録しましょう。
共通の送料込みラインを導入する
39ショップのラベルがないショップは、共通送料込みラインを導入しましょう。
ユーザーの満足度や購入頻度をアップするのが目的で、一定の金額以上の注文に対して送料が無料に、または送料を別途課さない送料体系に。最強配送ラベルの取得にも欠かせない施策です。
申請の流れはこちら。
- RMSにログイン
- 店舗運営Naviから「店舗・決済・配送情報」を設定
- 送料無料の条件(税込3,980円、沖縄県や離島などは税込9,800円)を設定
- RMSのメニューリストから「適用対象『39ショップ』申請」を選択
- 利用規約に同意してから申請ボタンをクリック
クール便や大型宅配便は、ショップによって送料無料ラインの対象になるかどうかが異なります。設定後、商品ページを開いて「送料無料ライン対象外」の注意書きがないかを確認しましょう。
ユーザーにとって、自分の支払う料金がシンプルでわかりやすくなるため、購入のハードルが下がり売上やリピート率アップが期待できます。
365日迅速に対応できる体制をつくる
365日、大切なお客様に対していつでもスピーディに対応できる体制を整えましょう。
最強配送ラベルの大きな魅力は、ユーザーにとって「便利で安心」だとアピールできること。商品の受注後スピーディに発送するのはもちろん、ユーザーの満足度が上がるようにさまざまな対応が必要です。
例えばこちら。
- 土日祝日に対応できる人員やサービスの確保
- 配送業者内で発生したトラブルへの対応、お客様への連絡
- 天災(台風、豪雪等)や交通状況などによる出荷・到着が遅れるときの連絡
売上アップ目的の最強配送ラベルを表示し続けるためにも、長期で対応できる施策をプラン立てし実行しましょう。
楽天の支援サポートを検討しよう
店舗基準や商品基準を満たすのは、自社だけでは難しいかもしれません。業務の負担や人件費が増えると、コストと利益のバランスが取れなくなり、最強配送ラベルを長期間有効活用できないおそれもあります。
そんなときは、楽天市場が提供する「楽天スーパーロジスティクス(RSL)」「Back Office Support System(BOSS)」の検討を!365日の出荷対応や受注管理の自動化を利用してみませんか?
楽天スーパーロジスティクス(RSL)で物流の負担をカット
楽天スーパーロジスティクス(Rakuten Super Logistics:RSL)とは、楽天市場が運営する物流サービスのこと。
- 商品の保管
- 注文処理
- 梱包
- 配送
など、一連の物流業務を代わりにやってくれるため、ショップは物流にかかる手間が大幅にカット。商品の販売やマーケティングなどのほかの業務に集中できます。
翌日配送や当日配送などのスピーディさも実現できるため、最強配送ラベルの取得に最適。ショップは在庫状況がリアルタイムで確認できるため、在庫切れや過剰在庫が防げます。消費期限管理・ギフトラッピング・チラシの封入などのオプションもあります。
料金は、在庫保管料+出荷作業料+資材料+配送料の4つを組み合わせたものでとてもシンプル。ただし、冷凍や冷蔵の商品は取り扱い不可なので要注意です。
Back Office Support System(BOSS)で発送までを自動化
楽天市場が提供するBack Office Support System(BOSS)は、楽天の受注管理機能「R-Backoffice」の受注を自動で処理できるオプションプランのこと。RMS自動化プランともいい、例えば以下のような日々のルーティーン業務を楽天市場が代行してくれます。
- 新商品の登録
- 既存商品の情報更新
- 注文の自動振り分け
- 入金確認や発送完了通知
- パーソナライズしたメッセージを自動配信
最強配送ラベルの取得を目指すなら、365日いつでも自動出荷できるように楽天スーパーロジスティクス(RSL)との連携が必要。納期の遵守率や出荷件数が上がり、最強配送ラベル取得の条件をクリアしやすくなります。
利用料金は、注文件数によってさまざま。1〜200件で月額3,000円、401件以上で月額10,000円です。
最強配送ラベルを取得してショップのファンを増やそう!
2024年7月1日に「配送品質向上制度」が始まり、検索結果ページや商品ページに表示される「最強配送」は、ユーザーにとって目新しいラベルです。
「なんとなく安心できそうな商品」とは分かっても、品質が良いかどうかはまだ知らないユーザーが多いかもしれません。ただ、今後ますます浸透していくうちに「あす楽のようなもの」「信頼性が高い商品」だと気づいてもらえるでしょう。
最強配送ラベルに未対応の店舗はかなり多いと言われている今だからこそ、競合の商品やショップに打ち勝つチャンス!365日対応のためのコストはかかるかもしれませんが、先行投資としてとらえて長期の売上アップを狙いましょう。
楽天市場では、今後もこれから新しい制度が出てくるかもしれません。ショップの売上を伸ばすために、店舗運営者として積極的にチャレンジしてください。