RPPとは?楽天市場で広告運用がしやすい3つの特徴!メリット・デメリット・運用のコツも徹底解説
初心者向け
ECサイト集客
RPP広告とは、国内最大級のECモール「楽天市場」で配信できる広告のこと。ユーザーが多く集まる市場内で、検索キーワードに連動して表示されるため高い運用効果が期待できます。
しかし、Googleの広告やYouTube広告にはなじみがあっても、楽天市場のRPP広告はあまりイメージがつかないという方も多いことでしょう。基本的なことはもちろん、効果的な運用のコツも知っておきたいですよね。
そこで、
「RPPとは?」
「どうやって始めるの?」
「どんなふうに運用すれば効果が出るの?」
とお悩み中のあなたへ、RPPの基本的な特徴や、メリット・デメリット・設定方法・運用するコツなどをわかりやすくまとめました。詳しく知って、楽天市場での広告運用をきわめていきましょう!
目次
RPP広告の運用で楽天市場での売上がアップ!
検索結果の冒頭に表示できる
RPPとは、Rakuten Promotion Platformの略で、ECプラットフォームである楽天市場内での広告のことをいいます。検索結果のページにて、商品名の前に「PR」と表記されるものがRPPにあたります。
楽天市場には大型イベント広告やニュース広告などがあり、その中でもユーザーの目に留まりやすいのが検索連動型のRPP広告。検索結果の冒頭に表示されるため、高いクリック率が期待できます。
どれほど評価の高い商品を出品していても、RPP広告よりも前に表示されることはありません!PCでは上位3つ、スマートフォンでは上位5つが「PR」という表記付きで反映されます。
RPPで上位表示を目指すなら、次の6つの指標を強化することが重要!
- 商品の売上額
- 商品の売上件数
- クリック単価
- 商品の転換率
- レビュー件数
- 商品レビューの総合評価
ただ単に、商品の売上を伸ばすだけでは上位表示されません。
- 商品内容が分かりやすい画像を使用する
- 配送方法や送料などの必要な情報を明確に配置する
- Webデザイナーに委託し、シンプルで分かりやすいデザインにする
など、転換率の向上を狙うことも重要です。顧客満足度を高め、高評価のレビューを獲得するのも効果的です。
クリック数で課金される
RPP広告は、クリック数に応じて課金されます。広告として掲載されたとしても、クリックされなければ広告費はかかりません。
ユーザーの目に留まるだけで広告費が発生する広告よりも、購買欲が高い顧客にアプローチできます。しかし、転換率が低い商品は広告費が割高になってしまいます。
RPPでの費用対効果を高めるためには、転換率を上げていく工夫が必要。例えば、商品名や商品画像は顧客を惹きつけるものにする、顧客が欲しい情報はすべて記載するなどの方法があります。
5,000円から利用できる
RPP広告の運用費用は、最低予算が5,000円です。あらかじめ予算を設定しておけば、超えた額になる心配はありません。予算を設定した場合は、消化されるまで自動で掲載され続けます。
クリック単価はキャンペーンや商品に応じて柔軟に対応できるため、販売したい商品に含めて単価を設定するのが一般的です。
RPP広告の3つのメリット
手軽で簡単に運営できるRPP広告は、分析に必要な数字が確認でき、効率的な運営が可能です。その理由を3つのメリットからお伝えします。
- クリック単価が低く設定できる
- 広告初心者でも簡単に運営できる
- パフォーマンスレポートが有効活用できる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
クリック単価が低く設定できる
RPP広告のクリック単価は最低10円。これまでは2018年まで楽天CPC広告という名で運営されていたときの半分の額(25円)でしたが、2021年の7月1日からさらに値下げされました。
とはいえ、クリック単価の金額だけでは割安かどうか判断しにくいですよね。例えば、1ヶ月の総予算を5,000円、クリック単価を10円でRPP広告を運用するとします。クリック数は、1ヶ月で500回見込めるとしましょう。
転換率を10%とすると、あなたの商品を購入した顧客は50人。1つの商品あたり100円以上の利益が見込めるのであれば、広告費がペイできる計算です。
転換率は商品の単価などによっても変動するので、上記の計算はあくまで目安として参考にしてください。また、広告によって獲得した顧客は、リピーターとなる可能性もあるので、広告の段階で初期費用をペイできないからといって損を感じる必要はありません。
低い単価で広告が出せるので、転換率の動きに着目しながらサイトをブラッシュアップしていくのがおすすめです。
広告初心者でも簡単に運営できる
RPP広告は、楽天側がキーワード選定を担うので広告を出稿するハードルが下がります。
キーワードを選定するには、メインキーワードに掛け合わせるワードや、ユーザーの検索意図なども考慮する必要があります。
広告初心者にとって、それらのことを考慮するのは至難の技。また、ライバルがキーワード選定できるのであれば、スキルによって差が生じてしまいます。
RPP広告なら、キーワード選定がもともとできない仕組みなのでそれらのことは考慮しなくてもOK!したがって、初心者にとって運営しやすい広告だといえます。
パフォーマンスレポートが有効活用できる
RPP広告のパフォーマンスレポートを活用し、売上を伸ばす施策が実施できます。以前は有料でしたが、RPP広告からは無料になりました。これを使わない手はありません。
パフォーマンスレポートとは、売上高・クリック数・広告表示率などが記されたレポートのこと。広告の運営者は、これを元に広告の効果の検証ができます。
想像力がどれほど豊かでも、仮説と現実には差が生まれるもの。広告の運用は、試行錯誤しながら仮説の正確さを極めることで効果が高まっていきます。
運用を進めていく中で、予想よりも売上が低いのであれば何が原因かを検証して次の広告で活かします。そして、分析に欠かせないのが実際の数字。その情報を得られるのがパフォーマンスレポートです。
RPP広告の3つのデメリット
RPPには、次の3つのデメリットもあります。
- 競合他社が多い
- 利益率の低い商品ほど効果が薄い
- アプローチできる対象が限定されている
それぞれ詳しく解説するので、しっかり理解しておきましょう。
競合他社が多い
簡単に運用でき、検証するための機能も備わっているRPP広告。あなたも「簡単で費用が抑えられそうだからやってみようかな」とさらにやる気になってきたのではないでしょうか。
その手軽さゆえに、RPP広告の利用者がどんどん増えており競合他社もそれ相応に多くなっています。あなたが販売したい商品に資金力のある大手が参入していれば、低予算で検索上位に表示されるのは難しいと考えておきましょう。
RPP広告を始めるにあたり、競合他社を把握しておくのも必要です。
利益率の低い商品ほど効果が薄い
RPP広告はクリック数に応じて課金されるので、転換率が低いほど1つの商品あたりの利益が少なくなります。
つまり、よほど効率が良くなければ利益率の低い商品で利益を伸ばすのは難しいということ。この場合、RPP広告では利益率の低い商品が設定によって除外できます。または、始める際に利益率の高い商品を選定すると無難です。
アプローチできる対象が限定されている
RPPは、楽天市場というプラットフォーム内での広告なので、楽天市場の利用者にしかアプローチできません。
当然ですが、GoogleやYouTubeなどのほかのプラットフォームよりもユーザー数が絞られてしまいます。楽天市場も大きなプラットフォームですが、GoogleやYouTubeには及ばないからです。
したがって、商品は楽天市場を利用している層とマッチさせる必要があります。自社商品を販売するプラットフォームが楽天市場でいいのかどうかを始めに検討しましょう。適しているのであれば、RPP広告は非常に有効な広告ツールとなります。
RPP広告の始め方
RPP広告は、次の3つの手順に従って始められます。
- 楽天RMSにログインする
- RPPを選択する
- キャンペーン登録を完了する
スムーズにできるように、詳しく見ていきましょう。
楽天RMSにログインする
まずは、楽天RMSにログインします。
楽天RMSとは、
- 店舗構築
- 受注管理
- メール配信
- データ分析
という4つの機能を持つシステムのこと。ECサイトの管理に必要な機能が備わっているので、広告を運用しつつ有効活用しましょう。
楽天RMSにログインするには、IDが必要です。持っていないのであれば、まずは楽天の会員登録から始めましょう。
RPPを選択する
次に、サイドバーの「広告・アフィリエイト・楽天大学」から広告を選択し「検索連動型広告(RPP)」をクリック。RPPのメニューに切り替わるので、キャンペーンの登録へと進みましょう。
RPPのキャンペーンとは、RPP広告そのものであり、ステータスを有効にしていると広告が稼働しているということになります。
キャンペーン登録を完了する
キャンペーンの登録画面に進んだら、以下の3つを設定します。
- キャンペーン名
- 月予算
- 1クリックあたりの入札単価
キャンペーン名は任意の名称が定められるので、分かりやすい名称を設定しておくと検証がラクです。例えば、冷蔵庫を型番ごとに販売しているのであれば、「冷蔵庫 H4872(型番)」のように登録しておきましょう。
キャンペーンの登録が完了したら、数時間程度で広告の配信がスタートします。すぐに反映されるとは限らないので、焦らず待ちましょう。
RPP広告の効果がより期待できる3つの指標
RPP広告では、売上改善アクションツールを使うことで、
- 商品別検索キーワード
- 商品別特典設定
- 関連キーワード・ユーザトレンド
という3つの指標が確認できます。2018年5月にリリースされたRMS機能の一部で、これらを分析するとRPP広告の効果アップが期待できます。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
商品別検索キーワード
商品別検索キーワードを選択すると、商品に対する「上位5つの流入キーワード」と、キーワードごとに次のようなことが確認できます。
- アクセス数
- 転換率
- 検索順位
- 改善アクション
実際の数字がわかっても、具体的にどこを直せばいいのかはわかりにくいですよね。そんなときに役立つのが4番目の改善アクション。楽天がキーワードごとに指示を出してくれるので、まずはそれに従って方法を検討してみるといいでしょう。
特に、転換率はクリック課金型のRPP広告の費用対効果に大きく影響するので要チェックです。低ければ、大幅な改善が必要かもしれません。
商品別特典設定
商品別特典設定は、商品別検索キーワードによって判明した「転換率を上げたい商品」に有効活用できる指標です。
- 送料無料設定の有無
- あす楽設定の有無
- ポイントの倍率
- レビュー評価
- レビュー数
これらが商品ごとに確認できるので、比較しながら各項目を見直してください。
例えば、ポイントの倍率を上げたり送料を無料にしたり。評価の高いレビューが数多く投稿されていれば、購入時の「このショップの商品で大丈夫」という安心材料につながります。
他社の似た商品とも比べながら、顧客の目線に立って選ばれそうな設定を心がけましょう。
関連キーワード・ユーザトレンド
関連キーワード・ユーザトレンドも、商品の転換率アップが期待できる指標です。
・楽天市場の検索で関連したキーワード
・ショップに流入の多い検索キーワード
・検索したユーザーの性別や年齢
これらが確認でき、顧客の惹かれるキーワードが明確になるので「商品名・キャッチコピー・商品説明の要所」に散りばめましょう。
中には、予想していなかったキーワードが関連キーワードや流入の多い検索キーワードとして入っていることも。検索結果の順位が上がる可能性があるので、関連性の高いキーワードを調べ、サイト内に意識的に挿入しましょう。
また、登録している商品のジャンルにも目を向けて、同時に「タグID」を設定しましょう。
顧客は、商品検索の際に欲しいものを絞り込んだり似ているものに興味があったりします。タグで関連付けをしておけば、特定のキーワードに限らずさまざまなページに表示されるため転換率アップに効果的。検索上位が狙いやすくなり、顧客の幅が広がります。
RPP広告を効果的に運用するコツ
RPP広告で成果を伸ばしたい方に、活用するとより効果的に運用できるポイントをお伝えします。
- ROASで広告効果を分析する
- 除外リストでムダを省く
少し難しい内容かもしれませんが、1度目を通してみてください。
ROASで広告効果を分析する
広告の効果を算出する指標として「ROAS(ロアス)」というものがあります。
計算方法はこちら。
ROAS =「 売上高 / 広告費 × 100%」
【例】広告費:5,000円、売上:20,000円の場合
20,000 / 5,000 × 100 = 400%
広告費に対してどれほどの売上があるのかを数値化する指標で、一般的には数値が高ければ高いほどいいとされています。
ただし、広告の目的によって目安とするROASは異なるので要注意。集客をするための商品なら、ROASが低くても購買数が多ければ目的は達成しています。
また、利益率の低い商品の場合、ROASが100%を超えていても赤字になる可能性もあります。あくまで1つの指標として参考にしてみてください。
除外リストでムダを省く
RPP広告では、基本的にショップに登録した商品すべてが広告の対象です。つまり、広告で販売したくない利益率の低い商品は除外リストに加えておく必要があります。
登録するときは、RPPのページに除外商品という項目があるのでそこを開き、除外したい商品の「商品管理番号」を新規登録すればOK。csvファイルを使用して複数商品を一括で登録/削除することも可能です。
除外リストに加えておけば、RPP広告として表示されなくなります。できるだけ広告費を抑えるために、除外リストに含める商品を検討してみましょう。
RPPは初心者でもコツをつかめば簡単!
RPPについて今回の記事でお伝えしたことをまとめると、以下のようになります。
- クリック課金型で、最低5,000円から始められる。
- 設定する項目が少ないので初心者にも運用しやすい。
- パフォーマンスレポートで分析が容易にできる。
- 利益率が低い商品の販売は難しく、除外リストに入れるべき。
- 3つの指標をもとに有効なキーワードを洗い出す。
- ROASは、広告の効果を表す1つの指標。
RPP広告についての理解を深めていただけたのではないでしょうか?
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