ECサイト(ネットショップ)構築のための費用相場は?規模や手法別の料金を徹底解説!
ECサイト制作
目次
ECサイト(ネットショップ)を構築するための費用相場とは
ECサイトの構築費用やリニューアル費用は、リアルショップと同じようにピンキリです。ただ、あえてざっくりとお伝えするならば小規模であれば数万円、中規模なものなら数百万円での構築も可能です。この記事は「ECサイトをはじめたい、作りたい」「ネットショップ制作をどうしたらいいかわからない」そんな方に向けてだいたいの費用相場と、作り方(依頼方法)をご紹介する記事です。
※用語の名称や意味は使う方によって幅がありますのであくまでも当記事だけのものとしてご了承ください。
モールorモール外?ECサイトの費用設定は「どこで出店するか?」が最も重要
これは言い過ぎかもしれませんが、もしあなたがECサイトを構築したいと思っていて、誰かに相談をするとします。相談する相手はすでにECサイトを数店舗経営している方です。するとおそらく、一番初めにされる質問はこれでしょう。
「どこでやるの?」
この「どこ」とは、大きく分けて2つあります。楽天やAmazonなどのモール系カートか、BASEやSTORES、ショップサーブなどの非モール系(独自ドメイン系)カートかという意味です(もちろん細かくはいろいろとありますが)。リアル市場に例えると都会のような人がたくさんいる場所に出すのか、あまり人はいないけれど料金の安い場所でやるのかと問われているイメージです。
モール系カート(モール型ASPカート)
ECサイト(ネットショップ)を開設するには、一般的なサイトに「カゴ」と呼ばれるASPカート機能を付ける必要があります。ASPカートには、クレジット決済機能や、お客様の注文情報や個人情報を適切に処理する機能が備わっています。
モール型ASPカートは楽天市場やAmazonなどが代表的です。モールが独自のASPカート機能を提供し、集客をするかわりに、出店店舗から出店料を集める仕組みです。モールには出店審査があるため誰もが自由に出店できるわけではありませんが、そのかわり潤沢な集客力が備わっています。「集客には困らない」…と言ってしまうと語弊があるかもしれませんが、モール内競争に勝つことが主な戦略となります。
非モール系カート(独自ドメイン型ASPカート)
「rakuten.co.jp」などがURLの末尾につくモール型の出店とは異なり、独自のドメイン(URL)で出店できるのが非モール系カートです。自社サイトと言うこともあります。
モール系との一番の違い&メリットは料金の安さと手軽さです。ショップデザインのテンプレートも備わっており、WEBに関する知識のない方でも簡単にショップを構築することができます。代表的なサービスにShopify、BASE、STORES、ショップサーブ等があります。
彫モール系のASPサービスのデメリットは、集客を自社で行う必要があることです。
集客は主に広告で行われますが、ここに高額な費用がかかります。SNSなどでコツコツと集客していく方法もありますが、こちらは長い時間と労力がかかります。
一方で、ルールに縛られることなく販売できることは自社サイトの大きなメリットです。モールは独自の出店ルールを備えていますが、自社サイトはそのルールに従う必要はありません。そのためある程度の販売規模のある企業はあえて非モール系のカートで構築することもあります。
モール・非モールの違いは集客力と出店料
モールと非モールの大きな違いは、集客力です。モール系は圧倒的な集客力があるため、集客について考えることは主にモール内の競争です。仮にモール内でジャンル1位を獲得した場合、集客に困ることはまずないと言ってもいいでしょう。
一方、非モール系(独自ドメイン/自社サイト)は集客力がほとんどありませんが、一方で低リスク・低価格でスタートが切れるというメリットがあります。例えば地元では人気のある有名店舗であったり、インフルエンサーなどすでに知名度のある人が出店する店舗であったりというような、集客に困らない背景がある場合は非モール系の出店もおすすめです。
ECショップが成功するための大きなポイントの1つが「集客」です。どんなにいい商品を持っていても、それが人々に知られなければ成功を収めることはできません。だからこそEC戦略に長けている人は「どこで売るか」をまず重要視するのです。
もしまだ「どこで開くか?」を決めていない場合、こちらの記事に詳細な解説がありますのでぜひチェックしてみてください。
ECサイトの構築方法別の費用相場
ECサイトを構築する場所が決まったところで、次に決めるべきは構築方法です。ここでも優先する事項によって費用相場は大きく異なってきます。ご希望の優先事項に沿って、適切な構築方法と費用感をお確かめください。
モール系の構築方法と費用相場
楽天市場やAmazon、Yahoo!ショッピングなどモール系の出店の場合は、約30万円~100万円の費用を想定しておいたほうが良いでしょう。出品点数やショップデザインによって費用がさらにかかる場合もあります。モールはその構築過程で独特のクセや裏技のような部分もあるため、各モールに詳しい制作会社を選んで依頼することが大切です。
特に楽天市場は、商品を出店するというだけでなくそのショップらしさやオリジナリティを大切にするモールであるため、ショップデザインも大切です。店舗の看板やバナー、サイドナビの構築など、更新のしやすさも含めてプロに相談するとよいでしょう。
もし適切な制作会社が見つからない場合は弊社にご依頼いただくことももちろん可能です。
非モール系ASPカートの構築方法と費用相場
非モール系ASPカートの構築費用は前章でご説明した通り、0円(無料)のものからありますので出店料はかなり安く抑えることができます。一般的な規模の出店構築費であれば0~約50万円以内に収めることも可能です。
また構築方法は、各サービスを提供する会社によって異なります。どのサービスを利用するかは、以下のポイントを基準に選ぶと良いでしょう。
非モール系ASPカートを選ぶポイント
・価格
・デザインテンプレートの豊富さ
・WEBやITの知識がなくても構築できるかどうか
・サポートの手厚さ
・歴史と実績
・拡張性(他社のシステムとの相性)
・SEO
非モール系のASPカートはさまざまにありますが、上記のポイント別に各社の強みや弱みがはっきりとしてきます。特に、サポートの手厚さや歴史、実績は意外に重要です。また一度ショップを開店してしまうと、違うカート会社に引っ越すのは作業的にも経済的にも大変です。出店前にカート会社をよく吟味し、価格だけではない制作や運営のしやすさ、集客面も考慮することが大切です。
オープンソースの構築方法と費用相場
オープンソースは自社のサーバーなどに無償のカート機能をダウンロードし、改変しながら構築する方法です。オープンソースはよりカスタマイズ性の高いECサイトを作りたいときに便利ですが、すべてが自己責任となるため高い技術力が必要です。
そもそも「オープンソース」という言葉の意味は、プログラミングの際のソースコードが無償で一般公開されているということです。代表的なものに、「Magento(マジェント)」や、Wordpressのプラグインである「WooCommerce(ウーコマース)」があります。
ソースコード自体は無償で使えますが、インフラとなるサーバーは自社で用意しなければなりません。また、コードに間違いがあってページレイアウトなどに不具合が発生した時も、サポートを受けることは難しいため自分で直す必要があります。
そのため、改変や追加構築、オプションを追加したい場合は別途(制作費や人件費など)費用がかかります。
例えば複数のECショップを持っていて、在庫を連動させたい、キャンペーンを連動させたい、販売データや顧客データを活用したい、海外でも販売したい、などその企業独自のカスタマイズを施したりデータ収集を行ったりしたい…とにかく自由に作りたい!!という場合、オープンソースが用いられます。オープンソースの活用には専門の技術者が必要なため、本格的な構築を依頼する場合には主に人件費として少なくとも数百万~数千万円の費用が必要です 。
ECパッケージの構築方法と費用相場
ECパッケージというのはECに必要な基本機能(おもにカート機能)がひとまとまりにパッケージ化されているものです。このECパッケージをベースに様々なカスタマイズを加えてオリジナルのECサイトを構築していきます。オープンソースとECパッケージの違いはオープンソースがプログラミングコードが一般公開されたものである一方、ECパッケージは一般公開されていない、ベンダー独自開発のプログラミングコードである点です。無償オープンソースは改変や改修が自己責任となる一方で、ECパッケージは有償である分ベンダーのサポートや技術提供を受けられます。
ECパッケージとASP(独自ドメイン系カート)との違いは改変できる度合いが幅広いことです。ASPは基本的にカート機能そのものを改変したり、企業にあった特殊なデータ収集をすることができませんが、ECパッケージなら基本的に可能です。年商が数億円規模のEC企業は顧客データやマーケティング手法も複雑かつ豊富になってくるため、ECパッケージを利用することが多いですが、費用相場も数百万円から数億円と大規模になります。
フルスクラッチの構築方法と費用相場
フルスクラッチというのは全てを一から構築するECサイトのことです。セキュリティや海外展開、マーケティング、配送、顧客管理などあらゆるEC販売の過程を考慮してオリジナルであることが求められる場合にフルスクラッチでの構築が選ばれます。とはいえフルスクラッチの構築費用は数千万から数億円と莫大になりますので、超大手企業の構築手法に限られます。
一般的にこちらの記事をお読みいただく企業様や個人様のほとんどは、モール・非モールを含めたASPカートでのECサイト構築がメインになるかと思います。ASPカートでも、セキュリティ面やデータ収集に関して、一般的な企業が使用する分にはまったく問題ありません。越境EC(海外販売)や特殊な顧客管理をしたい場合は、ECパッケージやオープンソースをご検討ください。
ECサイトの構築費用の内訳は?何にどれくらいかけるべき?
ECサイト構築費用の内訳
どこで出店するか(モール or 非モール)、どうやって出店するか(構築手法)が決まったら、次は費用(予算)配分を考えましょう。
「だいたいの予算はわかったけれど、何にどれくらい使うかがわからない…」といった状況では、無駄な費用を費やしてしまうことにもなりかねません。
ECサイト(ネットショップ)を構築するまでには、大きくわけて2つの費用が必要になります。
- ショップデザイン
- 商品ページ
この2つです。次章ではその2つの費用について詳細に説明していきます。
※商品開発・仕入れ費用や梱包資材などバックヤード費用はECサイトの構築費用には含みません。
ECサイト構築費用の内訳①ショップの外観デザイン
ECサイト(ネットショップ)のイメージを決める外観デザインの構築です。主に看板やバナーで構成されます。お店のトップページのデザインなど、ついついこだわりたくなってしまいますよね。
ショップの外観デザインの中には、以下のような要素があります。
ショップの外観デザイン構築の主な要素
- トップページ
- ヘッダー・フッター・レフトナビ
- 特定商取引法に基づく表示(※必須)
- カテゴリー
- 会社概要
ここで注意していただきたいのは、「トップページのデザインは意外と見られていない」ということです。リアルショップの場合、お客様は必ず店舗の入り口から入って商品をご覧になりますよね。一方でECサイト(ネットショップ)の場合は商品ページに直接流入することがほとんどです。送料無料ラインにあと少しの「ついで買い」をするときなどはトップページへの遷移がありますが、その場合でも大切なのはショップのデザイン性ではなく、「いかにお客様の好みの商品へ的確に誘導できるか」という点になります。
ついつい、「トップページにスライダーを設置してかっこよくしたい!」「トップページにフェードインやアニメーションを入れてオリジナリティの高いサイトにしたい!」と思ってしまいがちです。決して悪いことではありませんが、よりお客様と接点の高い商品ページやカテゴリーページに多くの予算をとっておくことをおすすめします。
会社概要や特定商取引法に基づく表示はECサイト(ネットショップ)の必須事項なので正しい情報を適切に掲載するとして、意外に重要なのが「カテゴリー」です。商品が多ければ多いほど、そして複雑化していくほど、のちのちカテゴリーを整え直すというのは大変な作業です。
また、ユーザー(お客様)からするとカテゴリーは商品探しの重要な手掛かりとなります。将来にわたっての商品展開などを考慮したうえで、探しやすいカテゴリー構成をはじめからしっかりと整えておきましょう。
ECサイト構築費用の内訳②商品ページ
ECサイト構築で最も費用をかけるべきは「商品ページ」です。これからECサイト(ネットショップ)を開こう!と考える方はなかなかここに気付くまでに時間がかかることが多いですが、商品ページさえしっかりしていれば、トップページはゆっくり構築しても問題ありません。それくらいお店の生命線を握っているのが商品ページです。商品ページ構築の基本要素は以下の通りになります。
商品ページ構築の基本要素
- 商品画像(撮影・モデル費用等含む)
- 商品説明文
- スペック(商品詳細)
- 配送・返品交換・決済案内
- かご(購入ボタン・レビュー)
必須ではないが商品ページにあると良い要素
- お客様レビュー
- ランキング受賞情報
- 使用方法
- スタッフからのおすすめコメント
- なぜこの商品が生まれたか?など背景ストーリー
「商品さえ素晴らしければきっといつかお客様にわかってもらえるだろう」はECサイト運営の大きな間違いです。商品の機能性やデザインはもちろんのこと、それを「伝える力」が備わって初めてショップは回り始めます。だからこそ、商品画像や商品説明文は何よりも大切です。
プロのカメラマンやモデル、コーディネーターを用意したり、それが難しければ照明機材や撮影部屋を用意したりして商品の魅力をしっかりと伝えられるような商品画像を整えましょう。また、商品を全く知らない方にも良いと思ってもらえるような商品説明文を添えることも大切です。
スペックや配送・返品交換・決済案内はユーザーが購入を決断する際の重要な情報となります。ユーザーとの信頼関係を構築する第一歩となりますので、分かりやすく表示することが大切です。
上記で、商品ページに予算をかけるべき理由はご理解いただけたかもしれません。もう一つ重要なのは、これを継続できる体制を整え、ランニングコストを見積もることです。商品ページは1ページでいいわけではありません。季節ごと、ユーザーのニーズごとに商品が増えていきます。そうなっても継続して予算をかけ続けられるかどうかが重要です。なるべく低予算で良質な商品ページを作るために、社内教育を充実させたり、いい外注先を探したりということを繰り返して利益の出る体質にしていきましょう。
まとめ:ECサイトを成功させるための費用配分とは
いかがでしたでしょうか。ECサイト(ネットショップ)を構築するための費用とはつまりECサイト(ネットショップ)を成功させるための費用です。成功させるためには、オープンするだけでなくその後の運営を視野に入れることが大切です。
その後の運営に大切なのは「集客」と「商品の魅力を伝える力(転換力)」です。
ここが大切だからこそ、どこでやるか、どうやって伝えるかに予算をかけることが重要です。それが成功への近道だと言えます。
この記事はECサイト(ネットショップ)を制作するにはどのくらいの費用がかかるかということをご説明しましたが、ECサイトの規模や販売範囲(日本か海外にも販売可能か)、販売規模(年商どれくらいか)ターゲットユーザーによっても制作費用は全く異なるため、相場や料金を一概には言えないのが実情です。本格的な制作の際には信頼できる制作会社としっかりと相談をしながら、オープン後の運用面も含めて制作費の見積もりを出してもらいましょう。また、必要な機能やサービスを洗い出しながら、それらに関する制作能力やサポート面のチェックも忘れずに行いましょう。
もし、ECサイトを開設したい、そのためのアドバイスが必要という場合にはぜひ弊社にご相談ください。EC黎明期からECサイト制作に携わっているWCAは、様々なマーケティングデータやクリエイティブ制作のノウハウをご提供できます。
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