アクセス解析・分析とは?初心者向けに基礎や準備方法、ポイントを紹介
ECサイト分析
ECサイト等のWebサイトを運営するにあたって「アクセス解析」は重要です。やみくもに施策を考え、実施しても的はずれになってしまいます。ただ数字を眺めるだけではなく、正しくデータ・指標を解析することが必要です。
そこで、
「アクセス解析って結局なにをすればいいかわからない」
「みんなはどんな方法でアクセス解析をしているのか知りたい」
「正しく解析するためのポイントが気になる」
とお悩みのあなたへ、解析する目的や基礎的な知識、準備方法を解説します。また、正しく正確な解析のための、大切なポイントも紹介。ぜひ最後までお読みください。
目次
アクセス解析・分析とは
そもそもアクセス解析とは何かを確認していきましょう。なんとなくアクセスやクリックの数値を眺めるだけでは、解析とは言えません。
まず、アクセス解析の内容や目的を説明します。
ECサイトの状態をチェックする
アクセス解析の主な目的は「ECサイトの状態チェック」です。一体、何が起きていて、訪れたユーザーはどんな行動を取っているかを、アクセス解析によって把握します。
このアクセス解析は、Webだから可能な解析です。例えば実際の店舗でユーザー行動を分析するためには、カメラなど多大な設備準備が必要となります。
しかし、Webサイトでは比較的簡単に、多種多様な指標データを得ることが可能です。
せっかくなので利用しない手はありませんね!
次の施策アイデアを考える
ECサイトの現状を把握できたら、そのデータを基に「次の施策アイデア」を考えます。詳細なデータから施策を考えるため、より確実で効果の高いアイデアとなるでしょう。
アクセス解析では、クリック等のアクセスデータが取得できます。さらにはページ滞在時間や注目された箇所まで確認可能です。改善箇所も的確に理解できるため、施策の失敗も少なくなるでしょう。
今まで感覚的に施策・対策を実施してきた方がいるかもしれません。そんな方は、アクセス解析にチャレンジすると成功の確率が上がるでしょう。
施策効果を確認する
アクセス解析には、施策立案の他にも「実施した施策の効果測定」も重要なポイントになります。いつ、どんな内容の施策を行い、どの指標が変動したのかが一目瞭然です。後ほど説明しますが、解析ツールではデータが図表で表示させられるため、視覚的にも変動を確認できます。
施策を実施して売上が伸びたとして、重要なのは「なぜ改善できたのか」という理由です。クリック率の上昇によるアクセス増加、もしくは購入単価が増えたのかもしれません。アクセス解析では、これらの数値も取得できます。
発生した事象を正しく理解することで、次回の施策に活かしましょう。
無料のアクセス解析ツールおすすめ5選
ここからは、無料で使うことができる解析ツールの5つをご紹介させていただきます。
Google アナリティクス
Google アナリティクスは、Googleから無料で提供されているアクセス解析ツールです。
アクセス解析ツールの中では、日本で最も知名度の高いツールで、登録したWebサイトのユーザー行動について、属性や訪問したページ、達成率、広告効果の反響調査などを分析します。
https://www.google.com/analytics
Google サーチコンソール
Googleサーチコンソールも、アナリティクス同様にGoogle社が提供する無料のアクセス解析ツールです。Google アナリティクスなどの解析ツールと異なり、ユーザーがどのキーワードで検索したときに、結果としてどのように表示されたかなど、サイトのアクセス前のデータを取得できるのが特長です。SEOを集客の軸にしているサイトや、これからSEOに注力していきたいサイトを運営している場合は、Googleアナリティクスに加えて、Googleサーチコンソールの導入もおすすめします。
https://search.google.com/search-console/welcome
忍者アクセス解析
リアルタイムでアクセス解析ができる無料解析ツールです。利用方法も簡単で、指定のソースコードをサイトに貼り付けるだけと、非常にシンプル。
https://www.ninja.co.jp/analyze/
Similar Web
Similar Webは自分のサイトだけでなく、競合サイトの解析や競合が運用している広告・SEOまで分析できます。また、「比較機能」が実装されているので、ベンチマークするべき競合などが一目でわかり、検索上位表示に必要な情報を取得できるため、今後の改修方針にも繋がります。
https://www.similarweb.com/ja/
Juicer
Juicerは、サイトを訪れた一人一人のユーザーの属性や行動履歴などのデータを元に分析しペルソナ化を実行します。
A/BテストやBtoB分析など、各種マーケティング施策を行い、見込み客を獲得。サイトのパフォーマンスを分析することができ、商品開発やマーケティング戦略に便利です。
アクセス解析の前に必要な準備
アクセス解析には、事前の準備が必要です。ただ単にECサイトを立ち上げて、運用するだけでは解析はできません。
準備する事項は次のとおりです。
- ECサイトの目標を明確にする
- アクセス解析ツールを準備する
- ツールの使用方法を理解する
ツールなども必要ですが、目標設定の準備も必要となります。
ここでお伝えする内容は、解析の基本となるのでしっかりと確認しましょう。
ECサイトの目標を明確にする
アクセス解析を行う前に、まず「ECサイトの目標」を明確に設定します。
この目標設定はとても重要です。個人的には目標設定がないと、アクセス解析に意味はないと考えます。
目標設定において重要なのは「定量的に設定する」です。
定量的とは、数値で定めることを意味します。逆に、定性的に「売上を増やしたい」では足りません。
ここは定量的に「売上を前年比で10%増やしたい」というように設定しましょう。
こうすることで、見るべき指標や取るべき施策が自ずと見えてきます。ここで定めた定量的な目標は「KPI(Key Performance Indicator)」と呼び、KPIを達成するために、アクセス解析を行っていきます。
アクセス解析ツールを準備する
目標設定の他には、数値・データを取得するために「アクセス解析ツール」を準備します。
具体的には解析ツール「Googleアナリティクス」でデータ計測するために、ECサイトにタグを設置します。
タグの設定方法については、別の記事で詳しく解説しています。
こちらをご参照ください。どの作業も簡単なので、初心者でも難しくないでしょう。
【EC事業者必見】GA4の設定方法やレポートの見方を解説!最低限の初期設定はこれだけでOK | 株式会社WCA
Googleアナリティクスは、タグを設置した後から計測がスタートします。したがって、タグ設置は事前に、なるべく早い段階で行いましょう。
ツールの使用方法を理解する
アクセス解析では、「Googleアナリティクス」を主に利用します。簡単でよいので、ツールの使い方も理解しましょう。しかし、いきなり理解と言われても、難しいと思います。
そんな方は、こちらの過去の記事を参考にしてみてください。基本的な使い方を始め、便利機能である「レポート」の作り方も紹介しています。
【入門講座】Googleアナリティクスの使い方・レポートの見方は?ポイントを押さえて実践活用
Googleアナリティクスを操作したことが無い方でも、上記の記事を読めば、最低限の利用は可能となります。
解析・分析で見るべき指標
Googleアナリティクスで解析しようとすると、多くの指標が表示されます。どの指標を見ればよいか迷ってしまう方も多いようです。
ここからは、解析・分析で見るべき指標をご紹介します。
- ページビュー
- セッション
- ランディングページ
- コンバージョン
- 直帰率
- 離脱率
では、1つずつ内容を見ていきます。
ページビュー
ページビューは「そのWebページが表示された回数」です。
それぞれのページ毎にデータを確認できるため、どのページが多く見られているか等がわかります。
また1人のユーザーが複数のページに移動した場合、ページビューはそれぞれでカウントされます。後述のセッション等と混同しないように気をつけましょう。
セッション
セッションとは「Webサイトに訪れた回数」になります。1人のユーザーがWebサイトを訪れて、複数ページに移動した場合でも、セッションのカウントは「1」になります。
先述のページビューとは異なるため、注意しましょう。
またセッションについては以下のルールがあります。
- Webサイト訪問から30分後にリセット
- セッション中に日付をまたぐとリセット
- 別の参照元からWebサイトへ訪問した場合、別のセッションとしてカウント
ランディングページ
ランディングページとは、「Webサイトの訪問(セッション)で最初にアクセスしたWebページ」です。どのページからのアクセスが多いかで、次の対策などが変わります。
ランディングページによって、商品購入率や購入単価も変わってくるでしょう。
通常の運用や広告掲載のときに非常に重要となる項目です。
コンバージョン
コンバージョンは「任意に設定した目標をユーザーが達成すること」です。代表例として、ECサイトであれば「商品購入」「会員登録」、通常のウェブサイトであれば「予約」「お問い合わせ」が挙げられます。こちらは、どの行動をコンバージョンとするかGoogleアナリティクスにて設定可能です。
コンバージョン数やコンバージョン率を確かめてみましょう。ユーザーの特徴が各指標に関係しているならば、それにあった施策を考えるとよいです。
直帰率
ユーザーが最初に訪問したページ(ランディングページ)から、移動せずにそのままWebサイトを離脱することを「直帰」と言います。
また、全体に対する直帰の割合は「直帰率」となり、アクセス解析における重要な指標です。
この直帰率が高い場合、対策が必要となります。
Webページの記載内容を変更したり、別ページへのリンクを設置したりするとよいでしょう。
離脱率
離脱率とは「ユーザーがWebサイトから離脱した割合」を示す指標です。Webサイトを離れて別サイトを訪れたり、PCをシャットダウンしたりすると離脱したと見なされます。
基本的にあなたのWebサイト・ECサイトでユーザーを満足させられたら離脱率は低くなるはずです。
ニーズを汲み取ったECサイトにすることで、離脱率を低下させましょう。
アクセス解析を成功させるポイント
ここまで読んでいただき、基本的なアクセス解析はできると思います。そこで、解析の質をさらに向上させるべく、成功のポイントをご紹介します。
- ECサイトの構造を把握しておく
- 常にKPIを意識する
- プロに相談することもおすすめ
どのポイントも大切な事項です。
個人的には、解析の質に加えて時間効率も高まると思います。
初心者を始め、経験者の方もおさらいとして、ぜひ確認してみてください。
ECサイトの構造を把握しておく
アクセス解析を成功させるにあたり、まずはあなたのECサイト構造を把握・理解しておきましょう。
各ページの記載内容や構成、写真の種類などの基本的な情報は確認しておくとよいです。
他にも設置しているリンクやURLディレクトリ、ページ階層も重要だと思います。
Googleアナリティクスで指標を確認するにしても、どんな造りになっているかを知ることで効率があがります。
ExcelやPowerPointで構造をまとめておくと便利ですね。
常にKPIを意識する
もう1つのポイントは「常にKPIを意識する」です。ここでのKPIは、前述の事前準備で定めたKPIになります。ECサイト運営にはPDCAサイクルが必要不可欠ですが、どの工程においてもKPIは重要なので、片時も忘れないようにしましょう。
指標の種類が多いため、解析のためにGoogleアナリティクスを見ていると、目的・目標を見失いがちです。数値を追いかけるうちに、なぜこの指標を見ているか忘れることが多くあります。常にKPIを意識して、KPI達成を考えながら指標を解析するとよいでしょう。
プロに相談することもおすすめ
ここまでで、アクセス解析を詳しく解説しました。しかしどうしても苦手だったり、そもそも取り掛かるリソースが足りなかったりする人も多いと思います。そんな場合は「プロに相談する」のもおすすめです。
Googleアナリティクスの操作や指標の算出は、比較的簡単で誰にでも可能です。しかしハイレベルなアクセス解析や、質の高い施策の立案にはマーケティング知識が必要だったりします。
改善にはアクセス解析がとても重要
本記事ではアクセス解析について、詳しく解説しました。初心者向けに基礎的な情報から見るべき指標、成功のポイントまで紹介しています。
ECサイトの改善には、アクセス解析がとても重要です。必須と言っても過言ではないでしょう。今まで経験が無い方でも、ぜひ一度チャレンジしてみてください。