GA4の流入経路とは?サイト分析でトラフィックを最大化させる方法
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GA4の流入経路を分析することで、自社サイトのトラフィックを増やすために必要な戦略を立てられるようになるので、サイト運営者にとって流入経路の分析は非常に重要です。
「GA4の流入経路ってどうやって調べればいい?」
「そもそも流入経路ってどんなものがある?」
とお悩み中のあなたに、GA4を使って流入経路やデータを見る方法を解説します。
GA4を使ってよりトラフィックを向上させたいサイト担当者の方はぜひ本記事の内容を参考にしてみてください。
目次
GA4の流入経路とは?
GA4では、「チャネル」と呼ばれる流入経路の分析が可能です。チャネルを分析することで、サイトのPV数がどこを経由して集まったものかが明確になります。
流入経路を明らかにすれば、PV数を増やすための具体的な施策を打ち出せるので、サイトの売上を伸ばすために必要な要素です。
ここでは、下記の2種類のチャネルを紹介します。
- 広告経路のチャネル
- 自然流入のチャネル
広告経路のチャネル
それぞれ詳しく解説します。
広告経由での代表的なチャネルは以下の5つです。
- Paid Search:リスティング広告からの流入
- Paid Social:SNS広告からの流入
- Paid Video:Youtube検索またはYoutube動画からの流入
- Affiliates:アフィリエイトサイトからの流入
- Display:ディスプレイ広告からの流入
複数の広告運用を行なっている方は、それぞれの広告ツールで流入数を出す必要がありますが、GA4を活用すれば一括で調べられ、比較も容易です。
自然流入のチャネル
自然流入で代表的なチャネルは以下の4つです。
- Organic Search:自然検索からの流入
- Organic Social:広告以外のSNSからの流入
- Referral:他サイトからの流入
- Direct:ブックマーク・URLの直接入力からの流入
これらの流入を増やすには、SEO対策やSNS運用が主な施策となります。①と②は努力次第で伸ばせる領域です。自然流入を増やすには時間がかかりますし、戦略的な計画が必要となります。
GA4で流入元を確認する手順
GA4で流入元を確認するには、サイドメニューの「集客」から流入元を確認できます。
確認できる流入元の種類は「ユーザーの流入元」「セッションの流入元」の2つです。
- Googleアナリティクス4にアクセス
- 左側のメニューから「レポート>集客>ユーザー獲得またはトラフィック獲得」の順番にクリック
- ディメンションを変更
- 表上部の「セッションのデフォルトチャネルグループ」をクリック
「セッション メディア」を選択すると、セッション単位のメディアを確認でき、「セッション ソース」を選択すると、セッション単位の参照元を確認できます。
より詳しく流入元を分析する場合は、探索レポートを活用しましょう。
トラフィックの獲得レポートは3部構成
トラフィックの獲得レポートは以下の3部構成です。
- ユーザーの推移
- ユーザー
- メインレポート
それぞれ詳しく説明します。
ユーザーの推移
ユーザーの推移では、チャネルごとの流入数が折れ線グラフで表されており、横軸が日付となっているので、時間の経過とともに流入数がどれほど推移しているかが明確になります。
複数のチャネルの流入数が同時に反映されるので、チャネルごとの比較に便利です。例えば、DirectとOrganic searchの流入数を比較すると、それぞれの相関関係が分かります。
チャネルごとの相関が分かれば、それを元にメインの広告と逆の動きをしやすい広告も出しておくことでリスクヘッジができるでしょう。
ユーザー
ユーザーでは、チャネルごとの合計セッション数が記され、指定した期間内での累計セッション数の比較に便利です。
例えば、キャンペーン期間が7月1日から7月15日であった場合、その期間でより流入が多かったチャネルを洗い出せます。
メインレポート
メインレポートでは、それぞれのチャネルのユーザー数、セッション数、セッションあたりの滞在時間等が記されています。
メインレポートで様々な条件を加えることによって、流入経路を詳細まで調べることが可能です。
GA4の流入経路を分析する3つの方法
GA4の流入経路を分析する方法は以下の3つです。
- 「セッションのデフォルトチャネルグループ」で分析する
- 「セッション参照元またはメディア」で分析する
- 流入経路とランディングページを紐付ける
それぞれ詳しく説明します。
「セッションのデフォルトチャネルグループ」で分析する
メインレポートのデフォルト画面では、「セッションのデフォルトチャネルグループ」が選択されています。ここでは、セッション全体の数値が表示されるので、流入経路の全体像を把握するのに最適です。
セッションの全体像を把握すれば、事業のマーケティング戦略の方向性を決めるのに役立つでしょう。
例えば、リスティング広告とSNS広告のどちらの方がCPCを低く抑えられるのかを検討する際、広告運用期間中にかかった費用とそれぞれの流入数を調べることで明確になります。
事業の大まかな方向性を検討する際は、デフォルトチャネルグループで分析すると良いでしょう。
「セッション参照元またはメディア」で分析する
チャネルの流入数の実態について、より詳細まで調べたい場合は、「セッション参照元またはメディア」で分析することができます。
セッションのデフォルトチャネルグループの右側に表示されている「+」から「トラフィックソース」をクリックし、「セッション参照元またはメディア」の順に選択します。
例えば、コンバージョンの定義を「購入」にするには、コンバージョンのプルダウンから「購入」に条件を絞り込むことが可能です。
それぞれの流入経路の詳細を深掘りする際は「セッション参照元またはメディア」で分析しましょう。
流入経路とランディングページを紐付ける
流入経路とランディングページを紐付け、データを収集することも可能です。「+」マークから「ページ/スクリーン」をクリックし、「ランディングページ」の順に選択します。
「デフォルトチャネルグループ」の隣に「ランディングページ」が追加されていれば設定完了です。
流入経路とランディングページを紐づけることで、PV数やCV数を伸ばすための施策を考えやすくなるでしょう。それらを紐づけることで、流入経路と流入先のページのどちらに問題があるかが測定できるからです。
なお、この方法で測定できる指標は2つまでとなっているので、「チャネル」「参照元またはメディア」「ランディングページ」全てを集計軸に含めたい場合は、探索機能を使う必要があります。
流入経路を分析する際の注意点
流入経路を分析する際の注意点は以下の3つです。
- GA4とUAはセッションの区切り方が異なる
- トラフィック獲得とユーザー獲得は違う
- 参照元URLの確認はカスタムディメンションを設定する
それぞれ詳しく解説します。
GA4とUAはセッションの区切り方が異なる
GA4とUAでは、セッションの区切り方が異なります。UAでは、以下の条件のいずれもセッションが区切られていました。
- ユーザーが30分以上操作を行わなかった場合
- 日付が変わった場合
- 流入元が変化した場合
しかし、GA4になってから、日付が変わった場合と流入元が変化した場合はセッションは区切られず、同一のセッションとしてカウントされます。
これにより、UAとGA4をもし同一の条件で測定した場合、GA4の方が測定数が小さくなる可能性が高いです。
トラフィック獲得とユーザー獲得は違う
トラフィック獲得とユーザー獲得を同一とみなしてしまう方もいますが、意味が異なります。トラフィックとは、セッション数のことであり、同一のユーザーであっても複数回サイトへのアクセスがあれば重複してカウントされます。
一方、ユーザー獲得とは、同一のユーザーが複数回サイトへアクセスしても1回とカウントされるので、セッションの多さは関係なく、今までサイトに訪れたユーザーの数を表します。
セッション数の増加に対し、ユーザー獲得の増加が少なければ、新規ユーザーの獲得にコストをかける必要が出てくるかもしません。
参照元URLの確認はカスタムディメンションを設定する
デフォルト状態では参照URLは確認できないので、参照URLを確認したい場合は、GA4のカスタムディメンションを設定する必要があります。
カスタムディメンションとは、分析軸をカスタマイズできるGA4の機能であり、デフォルト設定で調べられないデータも分析することが可能です。
カスタムディメンションを作成するには、以下のように設定します。
- 「設定」をクリック
- 「カスタム定義」をクリック
- 「カスタムディメンションを作成」をクリック
- ディメンション名を設定
- 「範囲」→「イベント」を設定します。
「説明」では、作成するディメンションの説明について記載し、「イベントパラメータ」には「page_referrer」を選択します。最後に「保存」を選択すればカスタムディメンションを作成できます。
流入経路を分析し、トラフィックを増やす方法
流入経路を分析したら、トラフィックを増やすための施策を考えましょう。ここで紹介するのは、トラフィックを増やすための4つの方法です。
- Organic Searchを増やす
- Socialを増やす
- Directを増やす
- Referralを増やす
それぞれ詳しく解説します。
Organic Searchを増やす
Organic Searchとは、主にGoogle検索からの流入なので、アクセスを増やすにはSEO対策が有効です。SEO対策には、内部対策と外部対策があり、それぞれの対策方法は下記の通りです。
内部対策
クローラーと呼ばれるGoogleのサイト巡回ロボットがサイトページの権威性や信頼性、ジャンル関連性等の評価を行なっています。サイトページの評価を高めるには、サイト内のページ同士を内部リンクで紐付けたり、関連キーワードをサイトページ内やメタディスクリプションなどで記載したりする方法があります。
外部対策
外部対策とは、他社サイトのページからリンクを貼ってもらうことによってサイト評価を上げやすくする方法です。他社サイトに紹介してもらうためにはサイトページの質が高いことはもちろん、サイトの信頼性を向上させなければなりません。公的機関のサイトや当該ジャンルで評価の高いサイトからの被リンクを得るとドメインパワーが向上しやすいです。
サイト評価を上げないと被リンクの獲得は難しいので、まずは内部対策に専念するといいでしょう。
Socialを増やす
Socialとは、SNSからの流入なので、SNS運用を成功させることでアクセスが増えます。SNSは、プラットフォームによってジャンルの向き不向きが大きいです。
例えば、文章が伝わりやすいコンテンツはTwitterやFacebook、写真ならInstagram、動画ならYoutubeやTikTokなど、それぞれ強みが異なります。
自社コンテンツでSNS運用を始める際、どのプラットフォームが適切か検討するのが大切です。その際、同業者がどのプラットフォームを使っているのか、また、運用は成功しているかどうかをリサーチしてみましょう。
もし、SNS運用で成功している競合他社のSNSアカウントが多数あれば、自社コンテンツでも成功できる可能性は十分にあります。そのプラットフォーム内で需要があると分かるからです。
SNS運用は費用がかからず参入障壁が低い分、競合は多いので、運用を始める際は戦略的なアプローチが重要です。
Directを増やす
Directは、ブックマーク経由からの流入がメインなので、Directの流入を増やすには定期的に訪れたいと思ってもらえるサイトを設計しなければなりません。
そのためには、特定のジャンルに特化した役立つコンテンツの発信が有効でしょう。例えば、旅行ジャンルに特化したサイトであれば、お得に旅行を楽しむ方法や、ホテルや飛行機の割引情報、エリア別のおすすめの旅行先などのまとめ記事を発信します。
そうすることで、定期的に旅行を楽しむユーザーはブックマークをして旅行の度にサイトに訪れてくれます。他のジャンルにおいても、定期的に訪れたくなるようなサイト設計を心がけることで、Direct経由の流入を増やせるでしょう。
Referralを増やす
Referralとは、他サイトからの流入なので、他サイト運営者が参考記事として引用したいと思ってもらえる記事を発信する必要があります。記事の品質はもちろんのこと、Google検索で上位表示されなければ他サイトの運用者に見つけてもらえないので、SEO対策も必須です。
他サイトから記事を参照する目的は、記事内容の信頼性の獲得や読者がコンテンツを理解しやすくすることなどがあります。サイト評価や記事のわかりやすさが重要となるので、Referralは狙って増やすというよりも、SEO対策を強化することでアクセスを増やせるようになるでしょう。
GA4の流入経路を分析し、トラフィックを最大化しよう!
GA4の流入経路は大きく分けると広告経由と自然流入の2種類の経路があります。その流入経路からどれほどトラフィックがあるかを確認するには、GA4のトラフィック獲得レポートから確認しましょう。
デフォルト画面でも大まかなトラフィック分析ができますが、より詳細の情報が知りたい場合はランディングページと紐づけるなどのカスタマイズも可能です。
UAからGA4に移行された方は、セッションの区切り方や言葉の定義が異なっていますので、本記事の内容を確認して違いを把握しておきましょう。
GA4の流入経路を分析し、自社サイトのトラフィックを増やすのに強化すべきチャネルを特定できれば、トラフィックを最大化するのに役立てられます。